92話『不気味』
ビレニアは殴られた聖の方へと必死の形相で向かった。
「聖様! 聖様!!!」
涙目になりながら聖の名前を叫んだ。
「ったく! 人の恋路を邪魔するなんて、恥ずかしくないのか、お前らは?」
とサンニースは猛と長谷川を睨みながら言った。
2人は顔を合わせて
「「いや、何とも……」」
と正直な気持ちを言った。
2人にとってそれは仕事であり、人の恋路を邪魔する大義名分だったからであった。
そして、それを聞いてサンニースは
「そうか、お前らはそんな人間なんだな、心が狭いんだな……」
と言った。
それを聞いて猛は
「は? お前らも人の婚約者を取らないと恋愛も出来ないの? 恥ずかしくないの?」
と言い返した。
猛とサンニースは睨みあった。
すると聖は
「今、何かしたか?」
と聞いてきた。
サンニースはゾワッとして聖の方へと目をやると
聖は無傷で普通にサンニースの方を見た。
「な! 何でだ! 後頭部を思いっきり殴ったのになぜ平気なんだ! 手ごたえはあったはずだ!」
と少したじろいだ。
そして聖は
「何だ……そんなことをしていたのか……あまりにも弱すぎて気づかなかったよ」
とにやりと笑いながらサンニースを挑発した。
サンニースは
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
と雄叫びを上げながら再び殴った。
今度は頭を直接殴った。
聖は
ドシャ!!
と鈍い音が鳴った。
しかし、
「今……何かしたか?」
と再び笑いながらサンニースを見た。
「うう!!」
サンニースは異様な不気味さを感じて
「逃げろ」
とガルディアとレミアールの方を見て言った。
「え! な! 何を言ってるんだ! お前も逃げるんだ!」
「そうですよ! こんな化けもの勝てるはずが!」
「化け物とは心外な、私は人間だよ」
と2人の言葉を聖は訂正した。
サンニースは2人に
「バカ野郎が! 誰か残らないと足止めできないだろうが!」
と2人を怒鳴った。
それを聞いてガルディアは
「サンニース……分かった! 行こう! レミアール!!」
と言ってレミアールの手を引っ張って逃げた。
「ガッガルディア! だっ駄目よ! サンニースが!」
と涙目になりながら言った。
そしてガルディアは
「サンニース!! 生きろよ! 酒奢ってやるからな!」
と言った。
サンニースは
「じゃ! さっさと合流してそうさせてもらうよ!」
と言った。
聖は
「おいおい、そんなことさせると思うのかね?」
と言ってガルディアの方を見た。
すると
「行かせねえ、行かせねえよ、そのために俺は残ったんだ」
と言いながら鋭い眼光で4人を睨みつけた。
それを見て聖はキョトンとして
「何を言ってるんだ、あいつらは逃げてもすぐに捕まえれる、私たちのやるべきことはお前をここで始末しておくことだよ、ま、ついでにあいつらがこの後何処へ向かうかも拷問で吐いてもらうけどね」
と言った。
サンニースは
「やってみろ、俺はそう簡単に倒せないし、敗北したとしてもダチを裏切るような真似はしねえ」
と言った。
聖は
「さあ、それはどうだろうか、どうしても閉ざすことが出来ないものだよ秘密何て」
と言って聖たちとサンニースの戦闘が始まった。
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ガルディアとレミアールは必死に走っていた。
「サンニースさん……ごめんなさい……ごめんなさい」
と言いながら走っていた。
それを聞いてガルディアは
「大丈夫だよ、サンニースなら大丈夫だ、俺はあいつを信じる、それにあいつは魔法を使うことが出来る、やられたりしないさ、相手がどんな能力を使うか話知らないがサンニースが負けるはずがない」
と言ってレミアールを安心させた。
レミアールは
「本当に?」
と不安そうにガルディアの方を見た。
ガルディアは
「本当さ、あいつは強いんだぜ」
そして2人はサンニースを信じて逃げ続けた。
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「で、君には何が出来るんだ?」
と聖はサンニースに問いかけた。
サンニースは
「舐めてるのか? それとも相手の戦力を聞き出すつもりか? そんな手には乗らねえよ」
と言って警戒をした。
すると聖は
「そんなことは考えていない、ただ、君を侮ってやってるんだよ、そうやって絶対に勝てるっていう人間ほど滑稽なことはないからね、わざと侮ってやるんだ、さあ来いよ、今がチャンスだよ、私はあなたを侮ってやってるんだから」
と言ってニヤニヤと笑っていた。
サンニースは
「まあいい、俺の怒りを誘って安易な攻撃を狙ってるのかもしれねえがいいだろう! 攻撃してやるよ!」
と言ってサンニースは
「ハイパーファイアー!!」
と言って魔法を使った。
すると
バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
と大きな音と共に煙であたりが見えなくなった。
「うう!!」
サンニースは少し怯みながらも違和感を覚えた。
(なんだこれは、手ごたえがあるが歯ごたえがない、こんなにも簡単に? いや! 後頭部を殴っても頭を殴っても平然としているような相手だ、油断ならない)
と考えて煙が収まるのを待った。
するとそこには焦げた聖がいた。
「……はは、やはり大したことなかったな」
と言って笑った。
すると
「今……何かしたか?」
そう言って聖が受けたダメージが一気に回復した。
「!! 何だこれは!!」
聖は思いっきり炎魔法をくらって焦げていた。
それなのに聖はすぐにダメージが無くなった。
それどころか破けていた服さえも元に戻った。
「何だ? 何かしたかって聞いてるんだ、答えたまえ、それとも何もしてないのかな? せっかく侮ってやってるんだぞ、ほら、遠慮はいらないぞ?」
と笑いながら待った。
その頃猛と長谷川は
「いっせいので1!!」
「ああ! 出せなかった!!」
「やりいい!!」
一斉のでをやっていた。




