79話『自分たちの立場』
猛と長谷川は依頼書を見ていた。
そして、聖の言葉を思い出した。
「いいか、お前らがミスったのは受付嬢に依頼の選択を任せたからだ、お前らは自分たちが囚人であることを忘れるな、前科持ちに優しい世界等ないのだ、罪を一度でも侵せばそのしがらみは一生離れない、だからこそ分からなくても自分たちで選ぶんだ、そして自分の目で養っていくんだ、見極める力を」
と長谷川は聖の言っている意味が分かった。
社会でもそうだ、
仕事は自分で取って来るものである、
貰ってばかりだろ自分の力や見る力が身につかないのである。
それは野生でも同じく肉食動物ももらっているだけでなく自分たちで獲物を狩ることを覚えなければならない、
現代ではゆとりや考え方で色々と変わりつつあるが、
いつの世も自分たちだけで仕事を取って来るものこそが出世を貰い
力を付けていく
そして自分たちの力を思う存分発揮するのであった。
そして、相手を落すも上げるもその力を持つ者だけであった。
中にはコネで力を付ける者もいたがそんな者たちは長くは続かず
すぐに力のあるものに潰される。
必要なのはバカ真面目に仕事をするものではなく、
力を得るために動くものであった。
そして今の自分たちは前科者という完全に強くなることが封じられたものであった。
そんな者たちこそ自分で仕事を取らないとそれを利用される。
長谷川はそれを肝に銘じて猛と一緒に依頼を目を凝らして探した。
「なあ、長谷川さん、これなんてどうですか? 虫退治、今なら俺Tueeを存分に発揮できるし行けますよ」
「そうだな、無難にこれにするか、受付に行こう」
2人は依頼書を持って受付に行こうとすると、
「待ってよ! 君たち虫を一緒に倒さないか!」
と振り返るとそこには目を輝かせた少年と少女がいた。
見た感じだと戦士と魔法使いだ
長谷川は
「何でお前らと行くんだ? 何で俺らと行きたいんだ?」
長谷川は自分たちが前科者であることを分かった上で聞いていると思い
警戒した。
すると少年は純粋そうな目で言った。
「確かにあなたたちは罪を犯したんでしょう、でも僕たちはそんなの気にしない! だってたとえ自分の罪が償えない物でもあなたちは人を救うことを選んだんでしょう! だったら信用できますよ! それにちょっと僕たちもお金に困っているしお願いだよ!」
「ああ、分かった分かった俺らに任せろ、君たちは別の依頼を受けてお金を稼げばいいんじゃないか? 他にも依頼はあるし別に難易度もこれと変わらないだろ?」
猛は少年たちに言った。
すると少年たちは
「ダメですか? あなたたちの装備じゃ洞窟に潜む虫を倒せるとは思わないんですが?」
猛の装備は槍で長谷川は無難に剣であった。
そして少年は続けて言った。
「それ、あまり刃こぼれしてませんよ? 新しい剣ですか? それにしては剣や槍を使えるような風格ではないような気がするんだけど?」
2人は思った。
((ああ、一応は精通してるから俺たちが素人であることが分かるのか))
とそして長谷川は
「まあいいよ、この依頼料は結構高いし多分虫を嫌う人が多いから金持ちが喜んで出したんだろうな、俺たちが半分もらえれば目的は達成だし」
額は1000ゴールドだった、
本当に虫嫌いのお金持ちが考えもせずに出したのかっていうぐらいの額だった。
依頼の内容を見ると巨大の虫が地下にいっぱいいるから助けて!
と書かれていた。
子どものわがままを聞くお金持ちの両親の可能性が高い
2人はきっとこの子供はろくな大人にならないだろう、
現代でいうわがままを付き通して、自分の罪を自覚しないでお金で釈放されて好き勝手に生きる可能性が高い子に
と思った。
そんなことは2人には関係のない話だがこの二人と一緒に行くことにした。
時間が惜しいからだった。
無視しても勝手について来そうな雰囲気だったのだ。
なのでこういう冒険者の本当の力を確認するのも一つの手だと感じた。
「じゃあ受付に行こう、そしてそのまま依頼に向かってもいいかな?」
長谷川は確認した。
2人は
「はい!」
「大丈夫です!」
と言った。
そして2人は自己紹介した。
「俺の名はイツシイだ! 戦士だよ! よろしく」
「私はヒアツアよろしくね! 魔法使いです!」
と自己紹介した。
2人も
「山本 猛です、囚人です」
「長谷川 勝です、囚人です」
こんな自己紹介したくないと心の底から思った2人であった。
そして4人は受付で以来の受注をして
現地へと向かった。
-----------------------------------------------------------------------------
そして現地は完全にお金持ちの家の地下に沸いた虫の依頼であった。
「助けて! 怖いの! 冒険者なら出来るでしょ! さっさと行って!」
とあまり可愛らしくないぽっちゃり系のお嬢様が変な化粧をした状態でいきなりキレた。
2人はムカついたが我慢した。
イツシイは
「大丈夫ですよ! 俺たちがあなたの不安を取り除くから! 涙を拭いて!」
と元気よく言った。
お嬢様は
「まあ! そこのみすぼらしい二人とは違ってなんて素敵な!」
といきなり猛と長谷川をディスった。
2人は我慢した。




