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77話『成長』

猛には分からなかった。

なぜそこまで挑戦をし続けることが出来るのか、

魔法何て使ったことない者が相手に魔法を教えている、

確かにいい選手がいい監督になれるわけではないという言葉から見れば

聖は魔法を教える先生としては適しているのかもしれないが

無詠唱まで伸ばすなんてことが出来るのか、

ゲームやアニメでも無詠唱をする者はかなりの才能を有している物ばかりだ、

そんな中でこの世界では無詠唱はどれだけの難易度なのか分からないが、

聖が出来ないかもしれないと言っていたのを考えると相当難しいのだろう、

そして、上級魔法の無詠唱は前代未聞と聞けば前例がない

なのにそんな0%の可能性に挑もうという理由が分からなかった。


「どうして、聖はそんなに自信満々なんだ?」


と猛は聞いた。

聖は


「じゃあ君は何で牢獄で自分の頭の脳みそを液状化してまで脱獄をしようとしたんだ? それだって普通に考えれば死んでもおかしくない、前代未聞だよ?」


と言った。

猛にとってそれはかなりのリスクを負った賭けであった。

しかし、猛は


「あんな死に方をするくらいなら自殺の方がマシかなって思ったからそうしたまでだよ、俺は聖が思っているほどすごい男でも誇れる男でもないよ」


と言った。

聖は


「そう言っている間はすごい男にも誇れる男にも慣れないよ、まずはその考えを捨てて自分に自信を持たないと道は切り開かれないんだ、まあ無理にとは言わないけど」


と言って聖は再び炎の渦に飲み込まれているスライム、

そしてそれをかけているビレニアの方を見ていた。

猛は


「自信……か……」


とどうすればそんなものが手に入るのかを考えた。

そして、ビレニアは


「ううううううう!!」


と呻き始めた。

魔力が切れ始めたのである。

そして口から少し血が出て来た。


「頑張れ、ビレニア、辛いだろうがこれは試練だ、魔力が底を尽きてもどれだけ精神力を養えるか、どれだけ自分の負担を耐えることが出来るのか、無理はしなくていい、でも自分でいけると思うなら頑張ってみて」


とだけ、聖は言った。

ビレニアは聖の期待に応えたかった。

どれだけ自分の体が傷つこうが助けてくれた聖に対して恩を返したい、

自分は奴隷商人に捕まってから絶対に乱暴されて捨てられて惨めに死ぬだけだと思っていた。

だから、そんな苦しみから救ってくれた聖の為にも、無理をした。

例え結果として死んだとしても聖のために死ねるのなら前者よりも後悔はないからだ

ビレニアは体から少し皮膚から出血した。


「うううううううううう!!」

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


スライムもどんどんと蒸発していった。

8分経過してもうすでに死にかけていた。

最初の聖と猛との戦いが響いていた。

そして


「死んでたまるかああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


スライムも耐えようとしていた。

絶対に生きて恨みを晴らすために

これはビレニアとスライムの根気の勝負であった。

そして、ビレニアの炎が少し弱くなった。

そのせいで


「今だ!」


とスライムは外に出ようとした。

しかし


「させるかああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


とビレニアは目を見開いて魔力が尽きているにもかかわらず

炎がより一層強まった。


「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


その炎の強さにスライムも怯んで炎の中に閉じ込められた。

そしてついに


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


炎が尽きた。

そして炎の中から

何も出なかった。

スライムはビレニアが炎を維持できなくなった同じ時に

蒸発して消滅した。

ぎりぎり、ビレニアが勝利を収めたのであった。

だがビレニアも血を吹きだしながらそのまま倒れた。


「!! ビレニア!!」


猛はビレニアの元へと走ろうとした

しかし、聖に遮られて

代わりに聖がビレニアの方へと向かった。

そして一言


「良くやった、これこそ進歩、前進、君の成長への前進だ、必ず成長には無理をしないと到達出来ない最果てがある、君は今それを乗り越えた、そしてこれからも君は無理をしながらも到達し続けるのだよ、そのために私が道を示そう、君はその道を乗り越えるんだ、そうすれば君に勝てる者は誰もいなくなる、一緒に頑張ろうね」


と優しい表情で聖は札を使ってビレニアの傷を治した。


「……やっぱりわからないな、そこまで成長にこだわる理由が……」


聖は


「夢中になれることが見つかれば猛にも分かるさ」


とだけ言った。


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