63話『思い出の魔法』
猛は長谷川が潰れた目から出血をしていたので、
包帯で巻いた。
「よし、取り敢えずはこれでいいかな」
長谷川は未だに気を失っていた。
「取り敢えずはここで、長谷川さんの意識が戻るのを待とう」
と考えて猛は移動をしながら長谷川が目を覚ますのを待った。
「そういや、この袋に他に何が入ってたんだっけ?」
そう考えて袋を見たが
大抵は盗んだ金品だった。
おそらく札は聖が持っている袋なのだろうが、
あの時手に持っていた札ぐらいで袋自体はどこかに言っていたようだった。
こんなことになるのなら聖から数枚ぐらいは貰っておくべきだと後悔した。
すると
「ウウ……うう」
長谷川が目を覚ました。
「!! 長谷川さん! 気が付きましたか! まだ悪霊は倒せてませんが!」
と状況を説明した。
長谷川は
「成程な、お前がスキルを使って今逃げ切っているってことか……でもばれるのも時間の問題だな、すぐにでも策を考えないといけない」
と見えない状態でも戦おうとしていた。
それを見て猛は
「長谷川さんはもう戦える状態ではありません、無理はしないでください」
と言った。
長谷川は
「まあ、逃げながら策を考えるよ、さてと、どうしたものか……」
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
「!!」
「どうやらお前の逃走経路が分かった可能性があるな、俺らのいる階に降りた来たような地響きだったぞ」
と長谷川は予想した。
そして
ドンドンドンドンドン
「どんどん近づいてる……どうするか!!」
と猛は頭を抱えて考えた。
すると長谷川は
「札を貸してくれ」
と言った。
猛は
「でも、戦える状態じゃないですよ……」
ともう一度言った。
長谷川は
「別にたたかわないぜ、お前に託すための前準備だよ」
と言って札に触れた
すると、
ぼぼぼぼおぼぼぼおおお!!
と音と共に札が増えた。
そして猛はその能力を見て思い出した。
「物を増殖させる能力ですか?」
「そうだぜ、これで何とかしてくれよ」
と微笑みながら言った。
そして猛は札を見て一つの案を思い出した。
「やってみるか」
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「あいつらはどこだ!! 見つけ出して絶対に殺してやる!! 絶対にだああああああああああああああああ!!」
と声を上げていた。
セリーヌは
「お……嬢……さま、 申し訳ござい……ません」
と謝った。
レイチアは
「そんなことはありません! セリーヌは私のためにたくさん頑張ってくれました! そんなあなたを責めることなんてできません!」
と言った。
だがセリーヌはほとんどの理性と心が消えている。
そのため、セリーヌにはレイチアの本当の声が聞こえているのかが分からなかった。
「お母さま」
先ほどの魔法はレイチアにとって思い出の魔法だった。
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レイチア5歳
「レイチア、いい? 魔法は確かに才能だけど、それでも努力次第で天才より新たな発見をすることだってあるのよ」
「そうなの! すごおおおおいい!! お母様すごおおおおおおおおおおい!」
とレイチアは母親の言葉に喜んでいた。
そして母親は
「いい? あなたはいずれ魔法を覚えることになるわ、でも忘れちゃいけないのはこれは悪の為じゃなくて自分の持った新年のような心だけです」
と言った。
その言葉のおかげでレイチアは自分もいつかお母様のような人々の役に立つような人間になりたいと
そしてレイチアは必死に魔法の勉強と他の科目の勉強も恐れなかった。
そして、
「レイチア! すごいのね! あなたには才能もあるし、その上にあなたは人の心を重んじる精神があるのね!」
と笑顔で母親は、言っていた。
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そして様々な魔法を覚えた頃
セリーヌに帰ってくると言われた父親と母親は帰ってこなかった。
それでも信じて帰ってきてくれると信じていた。
それから魔法に専念するようになり、その実力はすでに王国でも役に立つと信じられていたが、税金を払っていないという胡散臭い理由で、いつしか娘さえも王国の腫物扱いだった。
そしてその理由のせいで娘も邪魔者扱い、人体実験の材料と言われていたが
聖にどうでもいいという理由で処分されてしまった。
そのため、レイチアも自分を殺した張本人は分からなかった。
だが聖の札で分かった。
自分と自分の親を殺したのはこいつだ!
そしてそいつにつき従えている勇者も同罪だ!
とそのため、レイチアは2人を許すことが出来なかった。
そして、2人がいったいどこにいるのかを良く見てみると地面に落ちている瓦礫の下に液体のようなものがあった。
「セリーヌ」
そう言って瓦礫を退けるとそこには抜け穴があった。
それを見てレイチアは
「!! いくぞ!! セリーヌ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
と叫んで2人の後を追った。
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その頃
ズモモモモモモモモモモモ!!
と音がして、見る見るうちに聖の姿が生き返った。
そして
「ほほう、こんな感じ……か、さてと、あいつらとっちめて悪霊に暴力の限りを使いますか、目の前で愛する者の毫も運は超えるだろう」
と言って袋から札を取った。




