59話『悪霊形態』
そう、私はレイチア様を守らないといけない、
だからこんなところで悪霊になり無差別に壊すわけにはいかない
だから、
だから
だが2人は
「なあ、猛! ここに葉巻があったぞ! いらんけど」
「長谷川さんは禁煙タイプの人なんですか?」
「そうだな、副流煙とかマジ最悪って感じのタイプかな」
そう言ってそこにあった葉巻を捨てて踏み潰した。
「うぇーい、喫煙化乙!」
そう言って葉巻の近くに会ったマッチを持って
「さてと、サツマイモがあったから焼き芋しようぜ!」
「おお!! 懐かしい! 俺ら昨日から何も食べてないし!」
そう言って先ほど破ってしまった絵をそこに置いて
「破れたしいらないよな」
「そりゃそうだろ? 何か昔相場6億もする絵を興奮のあまり殴って穴をあけてお釈迦にしてしまった話を聞いたぞ、その時点で価値はなくなったそうだったかな? そんな話が合った、だからこれももう価値はないから燃やしても問題はないだろ? 穴をあけた絵は修復して飾ってるそうだけど……」
「でもここの人たちはもう死んでるって話だろう? じゃあいいか!」
と言って火をつけた。
『止めろ!』
「?? なんか言った?」
「いや、取り敢えず火が着いたしサツマイモをなんかに包んで食べようぜ!」
「そう言えばあいつの貰った袋の中にアルミホイルがあった! あいつ結構開発してるんだな!」
「ラッキー!!」
そう言ってサツマイモをアルミに巻いて燃えている絵に突っ込んだ。
「ほほう、アートがいも臭くなっていくぜ!」
「高価なものが田舎臭くなるってか! はははは!! ウケル!!」
と言いながら木の棒で突っついた。
そしてその木の棒を使って
「おりゃおりゃ」
と絵の燃えていない股の部分を長谷川が突っついた。
「おいおい、何やってんだよ」
「子供には早かったようだが、女はここを突っつくと喜ぶぞ」
「へ? 何で?」
まだ大人じゃなかった猛は長谷川に聞いた。
すると長谷川は
「男だって股間を抑えると気持ちいだろ?」
「ああ、確かに」
と知識の乏しい猛に性知識を教えた。
『冒涜するな』
「なあ、さっきからなんか聞こえない?」
「ああ、まあ気のせいだろ」
猛の言葉を聞いても長谷川はあまり気にしなかった。
『ドああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』
「「!!」」
2人はいきなりの大声にビクッとした。
「へ? 何? マウンテンゴリラでも交尾を始めたのか?」
「ええ!! マウンテンゴリラの交尾ってこんな声でるの!!」
「いや知らんけど」
「知らないのかよ!」
とくだらないやり取りを続けていると
「があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
セリーヌはついに悪霊化してしまった。
「「へ?」」
2人は振り返ると見たこともないような化け物がいた。
「……」
「でっでっで」
「「出たああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」
悲鳴を上げながら2人はサツマイモをほったらかしにして逃げた。
絵はサツマイモと一緒に灰になった。
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「があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「「出たああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」
聖とレイチアはそんな悲鳴が聞こえてきた。
レイチアは
「こっこの声って、まさか……セリーヌ」
「あいつら何やってるんだ、まあ、一通りお宝は入れたからいいんだけど」
と聖は呆れながら
「まあいい、助けてやるか、チームリーダーとして頑張りますか」
と言って詰めた袋を持って2人の元へと向かった。
レイチアは震えながら
「そんな、いや……セリーヌ……どうして……守ってくれるって言ってくれたじゃない」
と涙を流しながら絶望していた。
この悪霊の気配は間違いなくセリーヌの物だった。
2人はずっと一緒に幽霊になって尚ずっといたのだから
分からないはずがなかった。
「ところで? さっきから私に居場所がばれていないと勘違いしている幽霊ちゃんは付いてくるかい?」
と聖はレイチアの横から顔をヌッと出した。
「ヒイいい!!」
レイチアはいきなりの事にビクリとして、悲鳴を上げた。
聖は笑いながら
「滑稽だな! まさにピエロだね! それに君の執事がいたことも私はとっくに気づいているよ! 哀れな者だね!! 君と言い執事君と言い!」
そして聖は
「さてどうする? 今なら君の大切な執事を元に戻すことが出来るかもしれないよ?」
とニタニタと笑いながら言った。
レイチアは涙を流して
「一緒に……行きます……」
と悔しそうにしながら答えた。
聖は
「よろしい」
とただ一言言った。




