58話『走馬灯』
「今日から個々の執事をさせて頂きます! ベリースと申します! よろしくお願いいたします!!」
ベリースは2人の男女の前でお辞儀をした。
2人は微笑みながら
「よろしくね」
「これからお願いするよ」
と言って笑顔で迎えてくれた。
そして2人は
「私はここの当主のギルデウス・ベルバラーと言う者だ」
「私はその妻のパラネウメと申します」
と2人は自己紹介をした。
そして、ベリースの執事としての生活が始まった。
ベリースは仕事を覚えてギルデウスやパラネウメの執事を完璧にこなした。
そしてベリースが執事を初めて数か月後
「あなた、私! 赤ちゃんが出来たみたいなの!」
と喜びながら言った。
それを聞いてギルデウスは
「そっそれは本当か!」
「おめでとうございます!」
そう言って2人は大いに喜んだ。
パラネウメは2人を抱きしめて
「ありがとう! 本当にありがとう!」
と言って喜んだ。
そして、赤ん坊はお腹の中ですくすくと育っていった。
そして
数か月後
「もうすぐで生まれます! 頑張ってください!」
「ふんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!」
踏ん張るような声がしながら2人は子供が生まれるのを待っていた。
そして、
「あああああ!! ああああああああああ!! あああああああ!」
産声を上げながら一つの生命がこの世に生を受けた。
少女はレイチアと名付けられた。
そしてレイチアは執事と多くの時間を過ごしながらも
父親と母親に愛されながら育ったため3人共家族として一緒に過ごしていった。
他のメイドや使用人は変わるがベリーヌは親がいない間ずっとレイチアと一緒にいた。
「ねえ! ベリーヌ! これ見て! 綺麗なお花!」
「そうですね、お嬢様」
「ベリーヌ抱っこ!!」
「はい! お嬢様!!」
そんな日々を過ごし
そして父親と母親が帰ってくると
「お母さま! 抱っこ!」
「レイチア!! いつもごめんね! 寂しい思いさせて!!」
「今日は家族一緒に楽しもう!」
と言いながらベリーヌと一緒にレイチアは楽しい時間を過ごした。
だが、レイチアが3歳になったころ
「貴様ら! 王に楯突きおって!! 王はお怒りだぞ!!」
「私は反対だと言ったんだ! 他国の人間と戦争しているとはいえ! その国から捕虜としたものを人体実験に使うなんて! 人間じゃない!」
と1人の貴族と言い争っている姿を見た。
レイチアはそれを見て怯えていた。
「怖い、お父様があんなに怒ってる」
「大丈夫ですよ、お父様は正当な理由で怒っているのです」
そして貴族は
「ふん、このままだとお前らは終わりだ! そこの娘もな!」
「むっ娘は関係ないだろう!」
「果たしてそうなるかな?」
とニヤニヤと笑いながら出て行った。
レイチアはそれを聞いて
「お父様、私たち、どうなっちゃうの?」
と涙目になりながら言った。
ギルデウスは微笑みながら
「大丈夫だよ、酷い目には合わないさ」
と言って娘を宥めた。
ベリーヌも
「いざというときは私が守りますので」
とレイチアに言った。
パラネウメは
「あなた、私も頑張って説得してみますね」
と微笑みながら言った。
それを聞いてギルデウスは
「ありがとう、妻よ」
「いいのよ」
そう言って抱き合った。
だが次の日
「貴様らを連行する!」
「むっ娘は関係ないだろう! 私だけで良かろう!」
と言い合っている姿をベリーヌは見た。
それを見てすぐに眠っているレイチアと一緒に安全な場所に避難した。
パラネウメはベリーヌを止めて
「お願いね、レイチアを……」
とただ一言言ってギルデウスはの元へと言った。
ベリーヌは
「申し訳ございません! レイチア様!」
と言って2人で隠れた。
そして、ギルデウスとパラネウメは連行されてしまった。
それから2人は屋敷に帰ってくることはなかった。
他のメイドたちと使用人たちはそれを聞いたのと
そこの関係者だとお前らもしょっ引くぞ!
と言われて全身が辞めていった。
ベリーヌだけがレイチアのいる屋敷を辞めなかった。
そしてベリーヌは屋敷で唯一のレイチアを守護していた。
そして、それを知った貴族は
「ベリーヌ君! 君はここでレイチア嬢と一緒に死んでもらう!」
と言って貴族たちが騎士と魔法使いと一緒に屋敷へ来た。
ベリーヌはレイチアに言った。
「レイチア様、ここに隠れてください! ここは私にお任せください!」
「いや! お父様とお母様もいなくなってあなただけが家族なの! お願い! 行かないで!!」
「大丈夫です、皆を追い払ったらちゃんと戻ってきますから」
「ベリーヌ!!」
そう言ってレイチアを隠してベリーヌは行った。
だが、ベリーヌがそんな大勢の騎士や魔法使いに敵うはずもなく
ボロボロにされた挙句殺された。
そして、ベリーヌは幽霊になった。
「ふーむ、結局娘の場所は言わなかったな」
「そうですね、どうします? 王様に殺されますよ?」
ズブ!
と1人の騎士がベリーヌから剣を抜いて言った。
幽霊になったベリーヌは
『無駄だ! この屋敷のどこいるかは、旦那様や奥様、もしくは私しかわからない! お前らに分かるものか!』
と言ってレイチアの生存を確信していた。
すると
「毒ガスを放て」
と一人の少女が言った。
「聖殿? あれを使うんですか? 効果あるんですか?」
「屋敷内の喚起を行わなければ娘は死ぬだろう、復讐は厄介だからな」
と言って貴族に命令をした。
そして屋敷に毒ガスを放たれた。
そして
「ぐああがRだあああああああだDふぁああああああああああああああああああああああ!!」
ものすごいうめき声がした。
それはレイチアの声だった。
それを聞いてベリーヌは
『そっそんな、レイチア様……』
と絶望した。
そして、
「見つけました!」
「よし殺せ!」
そう言ってレイチアの命は無残にも奪われた。
「確認しました」
「ほほう、私が開発したマスクも問題はないようだ、良かった、帰ろうか」
「はい!」
そして貴族と一緒に少女は帰って行った。
そしてその屋敷は毒ガスが消えて幽霊であるベリーヌとレイチアの二人だけになった。
そして、父親と母親は幽霊としてもいまだに帰ってこなかった。




