57話『ドジッ子』
「なあ、この皿見てみ」
「どれどれ?」
長谷川に呼ばれて猛は皿を見た。
そして
「何? どうしたんですか? 皿がどうかしたんですか?」
見たところ何の変哲もない皿だった。
「高そうだから誰にでも分かるのかなって思ったんだけど、やっぱり俺たちには骨董系の価値は分からんね、結構普通の更に見えて実はめっちゃ高いとかあるじゃん」
「ああ、確かに、どんな皿も同じに見える俺たちがおかしいのかそれともそれを価値のあるものだと思ってる方がおかしいのかが分からなくなるな、きっと一般人の俺たちの方がおかしいんだろうけど」
とぼやきながら2人は話した。
長谷川は
「これも売れるんじゃね?」
「そうだな、もらって行くか」
と言って普通に袋に入れた。
それを見て執事は
『こいつらは本当に物の価値が分からないんだろうな、それは昔私が使っていた皿で特に何の変哲もないのに』
執事は恨みを調整しながら2人を観察していた。
すると猛はある物を見つけた。
「なあ? これって自画像が? それともアート?」
「どれどれ?」
それは女性の姿を描いた絵だった。
『!! そっそれは! 奥様の絵! お嬢様も大切にしている物です! お願いです! それだけは!』
執事はその絵に近づいた2人を止めようとするが触れられず、それに彼らにも見えなかった。
「へえ、何か良い絵な気がする」
「そんな気がするだろ?」
2人は高そうだなあ、と思いながら絵を眺めていた。
『止めろ! お前らみたいなものの価値も分からん奴らにその絵だけは盗ませわせん!!』
怒りに任せて
ブンブンと拳を振るったが執事の攻撃はまだ当たらない
恨みが足らないと攻撃が当たらずに空振るだけだった。
ここにいる幽霊は他にもいるがこの屋敷に住んでいた幽霊は少女と子の執事だけだった。
他の幽霊からの助けを乞うことも出来るが出来るだけ自分たちの家の物を自分たちだけで守りたかったのだった。
しかし2人は恨みのパワーをまだ完全にコントロールできていなかった。
そのため、少しでも感情が高ぶると恨みのパワーは安定しなくなってコントロールが利かなくなるのであった。
そのため、2人は感情を抑える必要がある。
「そこ持って!」
「せい!!」
2人は無理に絵を引っ張った。
ギギギギギギギギ
ギギギギギギギッギギ!!
変な音と共に絵は少しずつ動き始めた。
それと同時に壁が擦れて傷がいった。
『貴様ら!! なんてことを!!』
攻撃しても当たらずにさらには2人は何の悪気もなく家を傷つけて行った。
2人は言った。
「おも! もうちょっと軽いものだと思ったのに!!」
「我慢しろ! いくぞ! せい……あ」
「あ」
絵を倒しそうになった。
『! きっ貴様ら!!』
執事は少し悪霊になりかけた。
そのため、風が吹き
フ―――――!!
「?」
「??」
2人をかけぬきながら絵が反対方向に倒されて
「おお! 持ちやすくなった」
「本当だな、いがーい」
と少し安心したように胸をなでおろした。
すると
「危ない危ない、もうちょっとで倒す……うわ!!」
「おお!!」
猛が少し安堵したことによって絵が倒れてきた。
猛の頭へ一直線に倒れた。
油断した猛が頭から奥様の顔面を破いて猛の顔が出た
猛は呆然としながら何かを考えて
「見てみて! 俺たちのいた日本であったように顔だけ撮影の奴!! 私はお姫様よ!」
と裏声を出しながら笑いを堪えながら言った。
それを見て長谷川は
「ブフ」
と吹いた。
「おま、おまえなあ、別にいいけど」
そして長谷川はある部分に着目した。
「パイパイでけえ」
「ああ、本当だな」
猛と長谷川は覗くように言った。
すると猛は
「何? 私のオッパイが欲しいの? あげないわよ」
と言って長谷川に注意を呼びかけた。
それを聞いて長谷川は
「いや、せんからそんなこと」
と言った。
それを見ていた執事は我慢の限界だった。
人の家に勝手に入り込んで、
静かに生活していただけなのに金品を漁る
その上価値も分からないから適当な感想だけを言って自分たちに思入れの品を侮辱
そして、お嬢様が大切にしている絵を何の考えもなく破るという愚行
その行為を見て完全に耐えれなくなった。
『ぐがああぐあああがうああああ!!』
「「??」」
2人は変な声に気が付いた。
そして
「変な声しなかった?」
「ああ、したな、幽霊かな?」
と深く考えずに
「さてと、絵がこうなった以上どうする?」
「サツマイモさっき盗んだから燃やして焼き芋しない?」
「おお! 良いね! 長谷川さん! 流石っす!!」
と嬉しそうに猛は言った。
それを聞いて
「ま、これが大人の余裕て感じかな?」
と子どもに対して自慢げに答えた。
そして
「外行くべ」
「行くべ行くべ」
と言って外に出ようと移動した。
それを見ていた執事は
『ごっがああああごああああああああああああああ、ずびまべんおじょうざま、もうダメですがあああああああああああああああああああああああああああああああ』
あまりの怒りに執事はどんどんと悪霊になり始めていく。
そして、執事は走馬灯を見ることになった。




