230話『父親』
「……何やってるっスか、長谷川さん、うろちょろと」
長谷川は猛の部屋をうろちょろしていた。
「え! いや! その……」
「嫌がらせですか?」
と聞くと
「いや、そう言うことではないんだが……」
と言って少し戸惑っていた。
猛は
「まっまさか! ついに男にまで!! ショタ!!」
「いや違う!!」
「そうすか。あまり部屋の前でうろちょろしないでくださいね」
と言ってそのまま食堂へと向かった。
そこにはラグネバールがいた。
「おお、猛、どうした」
「いや、なんか長谷川さんがずっと俺の部屋のまえでうろうろしていたから」
と言って奇妙に思っていた。
するとラグネバールは
「そういえば長谷川がお前から落ちた写真持って行ってたぞ」
と言った。
猛は
「え? マジで? ああ、本当だ、母親の写真がないわ」
「大切なのか?」
「いや、一応は形見だから常備してた、まあ別に恨んでもないし大切にはしてるんだけどね、まあ無くしたらそれは仕方ないなあとは、無くした俺が悪いんだし、でもそうか長谷川さんが……?? じゃあ渡せばいいのに」
と思い食堂から再び猛は自分の部屋に行った。
長谷川は未だにウロウロしていた。
猛は
「どうしたんですか? 何か俺に様なんですか? 写真だけならそんなことにはならないでしょうに……」
と言って疑問に思って聞いた。
長谷川は
「いや、ああ、うん、そのまず返すよ」
「あ、アザっす」
と言って写真を返してもらった。
それを見て
「これを見て変になったんですか?」
と聞いてきた。
長谷川は
(もう言うしかないか……)
と思い深呼吸をして
「実は……」
「まさか! これに心霊写真でも!」
と言って写真をしっかり見てみた。
しかし写真には怪しい影などは見られなかった。
長谷川は
「いい?」
と聞くと
「え? あ、はい」
と言って了承した。
すると
「実は俺、お前の父親なんだ」
「……そうスカ」
「……」
長谷川は突然のことでおそらくすぐには分かってないのだと思った。
だが
「え? それだけ?」
「え!!」
猛は普通にしていた。
「あの? それだけなら飯行っても?」
「いやいや! お前の父親が目の前にいるんだぞ!! いったい今までどうしてたんだとかないのかよ!」
と聞くと
「……俺と再会する前はホームレスしてて焼死させられたって聞きましたけど」
「うん! そうだね! 俺そう言ったね!」
「はい」
「反応薄いな!! もうちょっとないのかよ!」
「え、いや、別にいいけど、お父さんと呼んだ方が良い? 長谷川さんで呼びなれたんだが……」
「え、ああ別に長谷川さんでもいいよ、俺もいきなりお父さんって言われてもなんかむず痒いし」
と言って取り敢えず長谷川はそのままの敬称になった。
そして
「まあ別に父親だとしてもそこまで驚かないかなあ、なんか父親みたいな感じはしてたし、まあ完全に父親だとは思ってなかったけど」
「ああ、まあそうだろうけど」
「それに別に恨むこともないよ、立ちションぐらい誰だってあるさ」
「まあそうだけど」
「まあそれで借金負って人生潰れる人間は初めてだろうけど」
「う!」
「まあいいんじゃない、俺はお父さんだと負いながら長谷川さんと呼ぶよ、、別に」
と言ってそのまま食堂の方へと戻った。
するとそこには聖がいた。
「おお、猛、どうした」
「あ、聖、俺の親父見つかった」
「マジで」
「長谷川さんだった」
「マジで、これからはお父さんかよ、ウケる」
「今まで通り呼んでもいいって」
「ウケル」
長谷川は思った。
(こいつとつるんだせいで俺が父親でも驚きが少なかったんじゃないのだろうか……)
と思った。
ビレニアは
「まあ別にいいんじゃないですか、私たちちょっとしたことであまり関係性とか変わらなさそうですし、それにあなたも私も猛も聖様に着いて行ってこれからビビることの方がでかいんですから今の言葉にビビることはないでしょうし」
と言ってジュースを飲んだ。
「ははは、まあいいんだけどね」
と言って棒読みだった。
猛は
「まあ長谷川さん、俺嬉しいんすよ、だって会えないと思ってなかった父親に会ったんだから」
と言って取り敢えずは笑顔で言った。
そしてラグネバールは
「まあ、受け入れられない方が怖いのは分かるがでもそれは別に壊れることではないだろうしね」
「そうそう」
とハイデヤも言って笑っていた。
「取り敢えず魔王は対峙してから話せば」
「そうだよ」
そして長谷川は
「そうだな、俺も何を心配してたんだろうか」
「そうすよ、変にビックリする方が傷つきやすいでしょう」
と言った。
そして猛は
「そう言えば母さんが俺の父親は長谷川って言ってた時からああ、苗字同じって思ってた」
「え! それ先に言えよ!」
「だって母さんが父親ならお前の顔見たらすぐわかるっていうから!」
「あいつ! マジかよ! 赤ん坊の頃しか会った事ないぞ!」
「そうか、マジかよ、だから生まれた瞬間から借金モードで始まってたのか」
と言った。
すると
「あ、もうすぐ魔王城だ」
「そろそろか」
「勇者もいるのでしょうか……」
とビレニアが聞くと
「そりゃいるだろう」
と言って覚悟を決めた。




