110話『ギリギリのライン』
「遅い」
デリクスはイライラしながら待っていた。
一応は父親なのでこの結婚式にはよばないわけにはいけない
そのため、待つ必要があった。
別によばなくてもいいのではとベリクソからは言われたが
王になる者、家族を呼ばなければ品位を疑われる、
民が親の反対を押し切り勝手に結婚をするのとはわけが違い上の物である以上それなりのルールを守らなければいけない。
だからこそ遅すぎる父親にそれだけ失望とストレスを溜めていた。
そして
「お待たせした、来る途中で……」
「そんなことはどうでもいい、遅刻したことには変わりないだろうが、謝罪はいいから座れ、みんな待ってるんだからな」
と言ってやっと来た父親を睨みつけながら命令した。
アレク王は
「全く人の話を聞こうとしないところ本当にダメだな……だからお前は……」
「はいはい、もう何度も聞いてますよ、だからさっさと座れ御託はいい」
アレク王が言い終わる前にデリクスは言い返す。
仕方なさそうにアレク王とレウザーは自分たちの用意された席に座った。
そして、遅れて猛たち4人は用意を終えて自分たちの席に座った。
それを見たアレク王は
「おい、私に遅いと言っておきながらお前らが最後か、こういうのは使用人であるお前らは先にいるべきだろう」
と言ってきた。
それを聞いて猛はそこにあったナイフを取って立ち上がろうとした。
それを見た聖は
「止めなさい、今はね」
と言って宥めたが明らかに猛の目は殺気立っていた。
それを聞いてデリクスは
「あの者たちにはあなたので向かいを任せました、なので送れたのはあなたのせいですので」
と言った。
アレク王はそれを聞いて怒ろうとして立ち上がったが
司会がそれをさせなかった。
「それではデリクス・レイシャルド・デネブ王子とレミアール・レンゼル王女の結婚式を執り行います」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!
観客はやっとかと思いながら拍手をした。
そしてアレク王を睨む者もいた。
「全く、あれでよく王が務まると思っている者だ」
「全くです」
冷たく当たるデリクスにアレク王は不満を言う。
観客たちは
ヒソヒソと
「全く、あの王はいつまで無能を晒しながら君臨するのかな、サッサとデリクス様に代わって欲しいものだ」
「ああ、あの方が王になってくれれば魔王軍撃退会議に出て頂いて我々も一安心なのに」
と文句を言っていた。
彼らにとって貧困で苦しむ子供や不法滞在をして追い出される人間よりも
自分たちの生活が魔王軍に潰されることが不安であった。
彼らは普通にお金を稼ぎ家族を養っている、
つまりは一応は生活は安定していた。
そして、安定はしている者の他の者に慈悲を与える余裕はなかった。
そのため、税金を取られて勝手に寄付されたり不法滞在の者にお金を分け与える王に対して怒りを燃やしていた。
当然、寄付を勝手にされるということはその分の税金が上がりに上がって逆に困窮してしまうそうになる人もいるのであった。
それを防ぐためにデリクスは様々な悪行に手を染めながらもその者たちの生活だけは守り通した。
明らかに犯罪の域ギリギリラインの金稼ぎを行い皆に余計な分を払わされた税金分を還付していたのであった。
そのギリギリラインの金稼ぎは不法滞在した人間を捕まえては奴隷商人に売りつけたのであった。
当然、その者たちはデネブの法律上勝手に100日以上の大罪を続ければその国の方で処刑になる、そのためデリクスはその者たちに死ぬか奴隷として生きるかを選ばせて見事に全員生きたいと願い奴隷の道を受け入れざる負えなかった。
中には死刑を望んだがいざ死ぬと分かった瞬間に死にたくない! 奴隷でもいいから生かしてくれ! と懇願したものがいたため同じように奴隷商人に売り捌いた。
そして今日の結婚式に特別ゲストとして
エリブラレル・ジ・ルドライが来ていた。
「いやああ、聖さんだっけ? 久しぶりじゃないか! ビレニアも元気にしてたかい!」
「ああ! あの時の奴隷商人さん!」
と懐かしむ聖の隣で
「私は元気ですよ! あなたが私を奴隷にしてくれたおかげで聖様に会えました! 感謝してもし足りないくらいですよ!」
と完全に奴隷になれたことが幸運であったようにビレニアは目を輝かしていた。
それを見た猛と長谷川は
「なんか人……いやエルフってこうも支配されれば変わるのか……」
「まあそうなんだろうな、もはやビレニアにとって聖は神同然なんだろうな」
と話していた。
それを見ていたアレク王は
「何と哀れな、奴隷として扱われ過ぎて真面な判断が出来なくなった者がいるとは……それに奴隷商人を呼ぶなんて何を考えているんだデリクスの奴は! 全く不謹慎な!」
と怒っていた。
それを聞いていたビレニアは
「ねえ聖様? あの男の頭を蝋燭のように溶かしていきたいんですがご許可して頂けますか?」
と聞いてきた。
聖は
「分かるがもうちょっと我慢しようか、まあもしかしたら猛がヤルことになるかもだけど……」
とコソッと言った。
猛は
(良いんだろうか……俺で……)
と考えていて。
他の観客は
(((((((お前よりかはその奴隷商人の方が我々の為になったんだがな……)))))))
と考えていた。
アマノガの観客たちは料理とワインを楽しみながら結婚式を楽しんでいた。




