107話『目的』
デリクスの結婚の日取りが決まった。
レミアールと結婚することにより資金が手に入る
猛はジョリベル王に質問をした。
「そういえばどうして、デリクス王子にレミアール様を嫁にやろうと思ったんですか?」
と聞いた。
ジョリベル王は
「それは私にとっても利益になるからだよ、魔王軍が近々この町を襲うかもしれないんだよ」
と言った。
近くにいた長谷川は
「だったら魔王軍撃退の会議で話せば……」
と言いかけたがジョリベル王は
「参加できないんだよ」
と一言言った。
それを聞いて猛は
「え! でもここ大帝国アマノガ国ですよね! だったら出れるんじゃ!」
と聞くと
ジョリベルは
「私は四つの国を統治する王の血筋ではないからね」
と言った。
猛は
「血筋? どういうことですか?」
と聞くと
「その昔1人のハク王が人間を全て統治していたんだが1人では限界があると思いその方は子供に三つに分けた国を一つ一つ与えて統治をさせたんだよ、それが天王国デネブ、天王国ベガ、天王国アルタイルと三つの国だ、それぞれの国の名前はその国の初代王の名が付けられたんだ」
と説明してくれた。
「そして私は残念ながらその血筋ではない、デリクス様はそうではないが他の二つは血筋を重要視する、そのため私が参加することは絶対に出来ないんだよ」
と言って
長谷川は
「で、デリクスを息子にしてあるメリットってなに?」
と聞くと
「デリクス様から魔王軍撃退会議で決まった情報を流してもらうことになっています、それには今お金が困窮しているデネブ国を救ってデリクス様に会議に参加してもらわなければいけない、そのための政略結婚なんだ、もし失敗すればこの国の民たちは全て皆殺しになってしまう」
と言った猛は
「デモだったらどうやってこの国は出来たんですか?」
と聞くと
「私が苦労を重ねて積み上げた国なんだ、私はもともと移民でね、だが移民のままでは危険を伴うと考えてね、皆と協力してこの国を作り上げたんだ、そして法律を天王都市ハク国に報告書を送って認めてもらえたからこそこの国が出来た」
猛は
「しかし、血筋上は参加が出来ないこと?」
と聞くと
「まあそうだな、だが私はこの国を大きくすればこの国の価値を見出してくれるかも!! って思ったんだが、ダメだった」
と言いにくそうに言っていた。
猛は
「そんなに血筋って大切なんだろうか、こんな状態でそんなくだらないことぉ」
と猛は疑問に思った。
長谷川は
「まあ大変ですね、やっぱりそうやって差別ってどうしても治らないんでしょうね」
と残念そうに言った。
そして2人は
「「え、つまりこの結婚が上手くいかなかった場合はデネブとアマノガの民が全員皆殺しにあったってこと?」」
と聞くと
「ああ、そうなる、これは本当に肝が冷えた、全く娘は何を考えているんだ、一途記の自由のために大量の人間を殺す気だったのか?」
と呆れながら言った。
それを聞いて猛は
「本当に上に立つ人間って大変だな、自分のやりたいことも出来ないって耐えられない物なんだなあ」
と感じた。
だが
「それは違うよ、猛」
と声がする方を見るとそこには聖がいた。
猛は
「違うってどういう?」
と聞くと
聖は
「それはレミアールが自分でそこの幸せを探すのを放棄したからさ、だから目の前にあるちゃっちい自由を見て目がくらんだ、だって分からないじゃないか、デリクスと結婚したらものすごく幸せになるかもしれないんだから、それにあんな夢見勝ち男と結婚して本当にいいの? そんなことで本当にいいの? 好きだからって多分その場の勢いだよ」
と言った。
確かにそうだ、
猛から見ても明らかに2人は人生を舐めていた。
多分その場で私に自由を与えてくれると思いレミアールはデリクスを裏切ったのだろう、
デリクスの話を聞くだけでもデリクスはレミアールをぞんざいに扱うことはないだろう
なのにガルディアを選んだのはただ自由がもらえると思ったのだろう
そんなことのために彼女は考えもせずにそこへ走ってしまった。
そう思うと猛は
「レミアールは世間知らずなんだな」
と言った。
聖は
「まあ、箱入り娘みたいに育ったんだからそうなんじゃないの? おそらく家から町を見ても良い風景しか見なかったんだろうね、汚い風景を見れば普通に引きこもりたくなるぐらい酷かったりするけどね」
と笑いながら言った。
ジョリベルは
「酷いな、これでも治安は結構いいし、商業も盛んだぞ」
とムッとしながら答えた。
長谷川は
「まあ、幸せは自分で使う物だけどレミアールはガルディアといると自由になれると思ったんだろうな」
と言った。
聖は
「まあ幸せになるには目的を持つことだな、目的こそが人間が幸せになる一つだからね、何も目的がなくてただ過ごすだけが本当の苦痛だからな、姫は目的がなかったから目の前の自由に勝手な憧れを抱いたんだろうな、サラリーマンが会社勤めが嫌になって転職をすれば何かが変わると思ったみたいなもんだろうな、目的があるならいいがない状態でやめれば自由にはなるが余計苦しくなる落ちがあるしな」
と言った。
聖は
「まあ私たちには関係がないことだ、私たちは魔王退治が目的だからな!」
「「おおう」」
と2人は微妙そうな表情になった。




