表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/154

4-6

「私は母をスカウトしに戻ります。メリフェスの件も報告していませんので」


 昨夜、メリフェス騒動のあと帰城した鳩野さん。城内地下広間では、マミさんとクラブ国王がまだ戦っていたそうだ。


「あ、じゃあ俺も一緒に。メリルさんにプロディちゃんのこと相談したいし」

「あ、じゃあ私も一緒に。最悪、楓麻の義母になる人にアナタのこと相談したいし」


 同じ口調で乗ってくる静香。ハート国の正統勇者なので、俺には拒めない。せいぜい不快の意を込めた視線を送るくらいだ。


「ワタシはダメもとで慧依子にアプローチしてみるわ」


 霊仙寺が言うには、本人のやる気は別として、スペードアーツで能力を攻撃側へ割振った時の戦闘力はバカにならないとのこと。


「そういえば、昨日プロミディアさんと二人でコソコソやってたな」

「新プロディちゃんを制作しているみたいですよぉ?」

「またトンデモオブジェこさえる気かよ!」

「今回はデザイン監修に野良勇者の面々が間に入っているようですねぇ」


 魔改造モデラーを加え、あらたな充電台座を鋭意制作中らしい。それはそれでトンデモけしからん器が完成しそうだ。


「心配しかないから、あとで様子を見に行くよ」

「では、私は敵勢力の調査と移動手段の手配をしておきますねぇ」


 都に書き置きを残して一旦解散、それぞれの目的地へ向かう。


  ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■   ■


 ライトバーンでハート国へ向かう車中。

 運転はガンパンマン、助手席に鳩野さん。後部座席は俺の隣に静香、膝の上にプロディちゃんだ。


「なんでお前がついてくんだよ」

「あんた野放しにしとくと、行く先々でフラグ建築の腕上げてくるから」


 無表情なプロディちゃんの白い頬をプニりながら、


「さすがにこの物件はナイわ。犯罪だわ。そりゃミヤコ先生が焦ってライバル心むき出しにもなるって」


 ハアァと、おおげさなジェスチャーとともに溜め息をつく静香。


「ねぇ、あと一人ってフウマイじゃダメなの?」


 ピョン子がプロディちゃんの反対頬を前足でプミプミする。


「あー、なんたらプロンプトか……発動条件に不安があるような気がするなぁ」


 しかし腐ってもチート、俺よりは楽に一勝取れるのかもしれない。


「チートチャンスを逃した杜鷺君が拗ねるのも分かりますけど、妹さんの能力は成長すれば上掛けも出来て無敵ですよ。勝負は1対1になりそうですから、小学生の彼女を危険に晒すわけにもいきませんが」

「今回はラビ庵の連中が安心サポート! って事でもないしな」


 されるがままになっているプロディちゃんの手を借り、なおもプニュり続けるピョン子と静香の頭を「てぃっ」としてやる。


「この子だけ戦力に入れたらミヤの乙女心に爆弾マークつくわよ? 顔には出さないけど、相当ストレスため込んでるから。この前チラッと読んだミヤの日記からすると、楓麻に対する想いは結構ガチ」

「そんなことないだろ。あの年頃の妹は兄に過大な幻想を持ってるみたいだぞ? ネット情報だけど」

「いやいや楓麻、甘いわよ。姉の見立てでは、中学上がって思春期乙女レベルのゲージ振り切ったら「せつなさ炸裂」よ? 泣きギレしたミヤコに押し倒されて存分コースがオチ」


 せつなさ炸裂て……メモラーでもグラファーでもないトゥルリストの俺にはピンとこねぇな。


「分かったよ。アイツの能力で試してみたい事があるから、それをクリアできたら考えてみる」


 それよりまずは、マミさんとクラブ国王だ。バイタリティ溢れる大物二人との相対を考えるだけで精神を削られる。

 問題山積みのまま、無情に城門をくぐるライトバーンだった。

次回の更新は6月13日の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ