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2-7

「万事休すか……」


 彼らにとっては知名度の低いキャラでしかなく、ピョン子はただのコスプレ少女と化す。

 そんな中、一筋の光明が。


「あ、やっぱり杜鷺だったわね。こっちの用は済んだし、お困りなら手をかしましょうか?」


 スズメさんをTCUに任せ、単身、飛竜の飛び立った場所を目指して来た霊仙寺だった。主人公のようなタイミングで颯爽と登場した彼女は、俺を背にジェイショッカーと対峙する。


「ダイヤ国女王を追ってきた巨乳ツインか。我らの仲間はどうなったのだ?」

「ちょっと交戦したら、うちの女王置いてすぐ逃げたけど。杜鷺ぃ、なんでこんな弱い連中相手に苦戦してんの?」


 ばか言え、メチャクチャ強いぞコイツら! たぶん本質わかってねーな。


「お嬢さん、彼の名誉のために言っておくが、我々相手に善戦した方だったぞ」

「そうなの?」


 前方を警戒しつつ、上半身を捻り俺に聞く。キョトンとした顔で首かしげやがって……


「そいつらリア充男子に対しては無敵なんだよ」


 逆にトラウマのある女性には弱いのかもしれない。


「へぇー、リア充認定されたんだ? よかったじゃない」

「我々の前でイチャつくとはな。残念だよ、お嬢さん」


 ヤレヤレと肩をすくめ、おおげさに嘆くジェイショッカー隊長。


「イチャついた覚えはないわよ?」

「我々のリア充査定は、妥協を許さないほどキビシイのだ」

「隊長! 信頼感のあるコイツらのやりとりにイラッときました!」

「この男、助けられて当然みたいな態度にイラッときました!」


 それはいいがかりだと思うが。


「このように我々野良勇者は傷つき安く、リア充の一挙手一投足に敏感なのだ。心の自己防衛のため進化もしよう。いずれはこの能力で全てのリア充を殲滅するのだ!」


 今回のメリフェスは既存の、しかも元勇者を魔王軍として仕立て上げたらしい。彼らの心の闇につけ込み、人として大切ななにかと引き替えに絶大な能力を与えたのだろうか? 絶大と言っても対リア充限定だけど。


「断っておくが、お嬢さんが戦った部下達は女が恐くて逃げ出したのではないぞ」


 マジでか。てっきり女が弱点だと思ってた。死角ねぇじゃん!


「お嬢さんが彼氏持ちか判定できず、わずかな交際可能確率を天秤にかけた結果、お嬢さんに嫌われたくなかったのだろうな」


 斜め上の答え来ちゃった! やっぱ女弱点だったよ!


「さすがにウチの女王もポカンとしてたわよ」

「だが、お嬢さんがそこの勇者と桃色の関係だと判明した今、女でも容赦せん!」


 桃色の関係て、どんなだよ。


「桃色の関係になりたくても、コイツが拒否るのよっ! 重冷気剣!」


 霊仙寺も重冷気剣を顕現し、臨戦態勢になる。が。


「グハッ! た、隊長……」


 なぜか霊仙寺の発言でジェイショッカーの半数が大ダメージを受けている。


「やるな小娘! 暗に『エロアプローチしても、彼にフラれちゃった』攻撃とは! ピュアな新兵をこちらに裂いたのが裏目に出たかっ」


 苦しむ隊員達を目の当たりにし、狼狽える隊長。


「あー、なるほどね。アンタ達の倒し方、わかっちゃったかも」


 なにか思いついた霊仙寺が、けしからん胸を押しつけて俺の腕に絡みついて来た。


「聞いて聞いて! 彼ったら私のコト振ったクセに、膝枕させたりぃ、私のマウスパッドじゃフツウの使い方できないーとかぁ、先週なんて本命のコの前で(弁当を)ブッカケるしぃー……」


 仕草や表情を淫靡に交え、妄想をかき立てるギリギリのラインが功を奏したのか、霊仙寺の熱演が終わる頃には勝負の大半が決していた。

 結果、かろうじて立っているのはジェイショッカー隊長ただ一人。

 なんの戦いだよコレ。意味わかんねーよ!

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