シーズン2 プロローグ
続編、始めました。
3~4日ごとの更新を目標にがんばりますので、よろしくお願いいたします。
「人生、一発逆転の方法を思いつきました!」
昼休みの教室。
机をつき合わせて弁当を広げていた俺と霊仙寺は、お誕生ポジションに座る鳩野さんへ顔を向ける。
「アカネ、変なモノでも食べた? あれほどトマトとキュウリはやめなさいって言ったのに」
「いや、食い合わせのせいじゃねぇだろ」
え? トマトとキュウリってダメなの? 妹の作ってくれた俺の弁当は、幸いプチトマトが2コ鎮座しているだけだ。
「私、結婚します!」
見当違いな会話をする俺達を無視して爆弾発言をする鳩野さん。
「「けっこんんんんっ!?」」
二人して立ち上がり、注目の的になってしまった。マヌケに佇む俺達を見上げる鳩野さんは、机の中から一枚のプリントをとりだす。
「進路調査票? 朝くばられたヤツだよね」
天啓に従うかのように書き込み始める鳩野さん。
桜色の細い指先で「ピ」っと引き伸ばしたそれには、カワイイ丸文字で「お嫁さん」と書いてある。
「ハイハイ。で、相手は誰なのよ?」
冗談と受け取ったのか、霊仙寺は中断していたボリューミーな昼食を再開する。
俺もつられて食べ始めるが、彼女に淡い恋心を抱く俺としては非常に気になるところだ。
「杜鷺君ですが?」
「「ぶぅわはっっ!!」」
突如出た自分の名前に隙を突かれ、向かい合っていた俺と霊仙寺は互いの顔面を汚す結果となった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
一足先に顔を洗い終えた俺は、女子トイレの前にもかかわらず、出てくるなり霊仙寺にすがりつく。
「こえぇーよ! 鳩野さん超恐ぇーよ! 嬉しいけど、同じくらい恐ぇーよっっ!」
「ちょっ、杜鷺、落ち着きなさい!!」
鳩野さんと知り合う前なら浮かれもしよう。だが、ダイジェストにも似た異世界の冒険を共にした後では、彼女に対するみかたも変わる。
「だからワタシにしとけば良かったのに。アカネより裏表ないわよ?」
「プロポーズ以前に、告白はおろか彼氏彼女の関係にもなってねーよ!」
なんなら、意思表示してくれた霊仙寺の方が一歩リードしているだろう。振った結果になちゃったけど。
ちなみに、霊仙寺と屋上バトルのきっかけだった、鳩野さんとの婚前交渉うんぬんは誤解がとけている。
鳩野さんの真意が不明なまま教室へと戻り、覚悟を決めて席に着いた。
「話、ハショリすぎよアカネ。慧依子はともかく、どこが良いのか狭い範囲でコイツの倍率高いんだから、みんな納得いかないと思うわ」
俺を指さし、鳩野さんに説明をせまる霊仙寺。
「一応、ワタシも杜鷺杯参加してるから。一敗してるけど……」
終わりの方はバツが悪そうに小声になる。
「わかりました。簡単な話でもないですし、続きは杜鷺君の家でしましょう」
夏休みを目前に、波瀾の第二幕が上がっていくのを肌で感じた。




