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執筆時間がとれましたので、フライング更新です。
「申し出は願ったりだけど、いいの? 俺お荷物確定だよ?」
ハッキリお荷物と言い切れる自分が情けない。
「そんな事ありませんよ。ここにいる誰よりも私が一番知っています」
おうぅ、なんて破壊力の笑顔。か細く澄んだ声は魔法が込められているかのごとく俺に自信を与えてくれる。
「あーっ! ホラ、リィザ様ぁ。ぐずぐずしてるからあのふたり、イイ感じになちゃってるじゃないですかぁ! 完全に出遅れましたねっ」
リィザを半ば引き摺りながら人混みをかきわけてくるアンナ。あのカフェ制服は遠くからでも目立つなぁ。
「アンナ…… いいよぅ、はずかしいよぅ」
「勇者様のコト信じてるんでしょ? いーれーてー、って、ホラ、いーれーてー、って言ってきなさいなリィザ様! 他人の目なんて気にしなくていいんです。ウソつきと呼ばれたって信念を貫きましょう! ダメ勇者様の活躍次第ですが、ウソもつき通せば真実になるとかならないとかなんで! まぁ原因は私のせいなんですけどね、HAHAHA!」
「ローザ、ちょっとアイツ殴ってきていい?」
そんな決意を知ってか知らずか、無神経な暴走メイドを止めようとローザに了承をもらう僅かの間で俺の背後まで距離を詰めていたアンナ。
「ごめんなさいねぇー勇者様ぁ。うちの子も面倒みてやってくださいねぇー」
縞パンが見えるのもお構いなしにリィザの目線までしゃがんだアンナは、周囲を気にして小さくなっている主人の両肩を優しくキュッと包み、俺に託してきた。
「よ、よろしくおねがいしもす、ゆうしゃさま……わ、わたくしもおなかまにいれてくだたい」
ぺこりと深くおじぎをするリィザ。年相応でカワイイなぁ。
「リィザ様、『しもす』て……『くだたい』てリィザ様、あんたカミカミじゃないですかっ! ダメだ、肝心なところでダメだこの小娘……」
数秒前までの慈愛に満ちた『キュッ』はなんだったんだよ、手を離れた瞬間台無しじゃねぇか。
「さぁさ、茶番はここまでですよぉ皆様。チーム『ロリサギ』結成ですねっ」
「俺が通報されそうなネーミングだな! ふざけるなよ?」
「ローザ様のロ、リィザ様のリ、モリサギ様のサギですよぅ。『ザリサギ』や『ザザモリ』じゃ語呂が悪いですしぃ。だってホラ、事実でございましょう?」
おまっ、ございましょう? って……言い方腹立つ。
「語呂だよな? 語呂の方だよな、事実って!」
ムキになればなるほどヤツの思うツボだ。猫の口でによによしやがって……
「……みて、あの人が噂の……」
「えぇ〜? あの子が勇者なのぉ? 信じらんなぁ〜い」
「オレ、生のアクセシアンて初めて見た、結構カワイイじゃん」
「チーム『ロリサギ』要チェックだな」
「もう仲間割れ? 案外楽勝かもぉ」
アンナに掴みかかろうとしたが、気付けば周囲から注目の的になっていた。
ヒソヒソ囁くギャラリー群をよく観察すれば、人数の大小はあれど既にチーム編成が出来ている様子。
「三人パーティー俺達だけみたいだな……」
「姫・幼女・なんちゃって美少女…… 勝ち残れるんですか、勇者様ぁ?」
んんー? と、試すような顔で俺を見上げるアンナ。
「あやしいと思うならお前も参加しろよ。弾避けはあるに越したことないからな。大歓迎だ」
「言いますねぇ勇者様。残念ですが私はここの生徒じゃないので生暖かく見守るしか出来ませーん」
使えねぇ。
「ま、私が参加したらゲームバランス崩れますしねっ」
「崩れるもなにもスタートラインにすら立ててねぇよ?」
「ゲームといっても色々ありますでしょ? 最悪、救済ヒロインになってあげてもよくてよ? ……なんてね」
何の話をしてるんだ、こいつは。
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次回更新は6月8日前後の予定です。




