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物語の始まりは

処女作です。温かい目で読んでくださったら幸いです。

 

「 俺は男が大嫌いだ。そう、見るだけでも鳥肌が立つほどに…」


 こんな事をいつも考えているのは某市に住んでいて、某高校に二年生として通っている一男子高校生である渡会亨わたらいとおるその人物であった。

  亨は常日頃から自分も含めて男という存在に憂い、嘆き、絶望している。


  何故に彼がこれほどまでに男を卑下しているのか、それは彼が愛して止まない一つの高尚な嗜好がそうさせているからだ。

  亨は、組んず解れつ、イチャイチャしている百合百合な女の子が大好きだからだ。


  亨自身は頭が良く(普段は百合百合な妄想をして勉強は全くしていない)、運動ができ(体育の時間は女子の授業を見に行き男子の授業に参加しない)、顔のスペックも相当高い(女子に告白されても自分よりもふさわしい女の子がいると全力で勧める)が、中身が非常に残念なのだ。


  亨は時たまに考える、自分のような矮小な男が女の子を見ていていいのか?自分こそがこの世界で一番不必要な存在ではなかろうか?と、そう思うと、いっその事女の子になってしまえば解決するのではないか?と考える。


  しかし、亨は男が好きだから女の子になる、とか性同一性障がいで自分と異なる性になりたい、とかそう思うわけではなく、純粋に百合をこよなく愛するただの男でしかなかった。こんな奴が女の子になろうなど全世界の女の子になりたい男、男になりたい女の子に失礼だと思ったのだ。


  そんなこんなしているうちに、1日が終わり帰りの鐘が鳴っている事は亨にとってごく普通の良くある光景だった。

  寒さを感じる冬空の下で家に帰る途中で楽しみにしている雑誌「姫百合」を買い、朗らかに歩いているとき亨の目の前にはある光景が広がっていた。


  それは、 女子高校生と思われる女の子2人が白い息を吐きながら、手を繋ぎながら歩いている場面であった。

  亨は見えないように下でガッツポーズをとり、後ろを歩いていた。


  「神様、今日はありがとうございます」と空を見ながら、頭で呟いていると1枚の紙のようなものがヒラヒラと亨の上に落ちてきた。それを拾い、書かれている文字に目をやると…

  "オマエ ノ マエ ニ イル ジョシ ハ ジュウビョウゴ ニ シヌ"

 と書かれていた。


  なんだ、この紙は?と思った亨はふと道路の対向車線に目がいった。すると自動車が一台向かって来ているのに気がついた。

  亨は何故かその自動車に不自然な点を見つけた。ドライバーが乗っていなかったのだ。そして、それが前の2人に向かって来るであろうと感じた

 

  それが分かると女の子を守りたいと思う本能なのか、体が勝手に動き出した。自動車はやはりこちらに来ていて、女の子は未だに話しに夢中で気付いていない。

  亨は女の子2人を突き飛ばし身を呈してかばった。


  その後にどうなったかは亨に分かる筈もなかったが自分の存在が百合百合な女の子を救うためにあったのかと思うと少しは晴れ晴れとした気持ちになった。

 



拙い文章ですが読んでくださってありがとうございます。

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