考察
人は何かを求める
その求めた物を切望するあまり
身近にある大切なモノ
既に手に入れているモノを蔑ろにする
何かを手に入れれば何かを失う
大切なモノほど失った時に気付く
何度ももう失ってから後悔しないように
そう思っても人間は後悔する生き物だ
無いモノ強請り(ねだり)をする
自らがどれだけ幸せでも
自らがどれだけ贅沢をしていても
分からない
それが人間だ
愚かで悲しい生き物
誰かが言っていた
人間とは考える猿だと
猿だって考える
それでも人間はその思考回路故に人間だと言われる
そんな事を聞いた覚えがある
人間はその思考回路故に苦しむ
ただ生きるために
そう考えるのが一般的なのだろう
だが一部の人間は生きる事の意味までも求める
そう考えた時どれだけの人間が意味を見出せるのだろうか
確かにごく一部の人間は意味を見出せるだろう
だが見出せない人間はどうするのだろうか
死を選ぶのだろう
誰も戻ってこない彼岸を求めて
思考回路の停止を切望して
今日もほら何処かで自ら命を絶つ人がいる
実体のない自分はいつ
この忌々しい思考を止められるのか
自分は人によって作られた人格だ
ただ客観的に見るだけの
冷静さだけを求められた
自分は死にたい
考えたくないんだ
だから
もういいでしょ?
迷惑かけるだけだから
死んでも
逃げだと罵ればいい
自分の、こいつの考えは変わらない
さぁ、一歩踏み出そう
澄み渡るほどの綺麗な朝の空気を肺に吸い込んで
今
飛び降りた