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28決意

〜読者の皆様へ〜申し訳ありません。[第一話プロローグ]を少し変更させて頂きました。愛読して頂いた読者の皆様にはご迷惑をおかけします。ストーリー変更とゆう訳ではありませんが、少し話を広げやすくしました。ご気分を害された読者の方々、本当に申し訳ございません。〜バックハイ〜

「…もしもし?マコ?」



私はソファーに腰を降ろしながらマコへ電話をかける


電話越しに聞こえてくるマコの声が少し眠たそうだ



「…この前、飲み過ぎちゃったから…謝りたかったんだよね…」


皆で飲んだあの日、私は自分がどれ程飲んだのか分からないでいた

次の日気が付くと自分の部屋のベットに寝ていた


それを考えると、私の部屋を知っている美咲か元子が運んでくれたのだろうと思っていた

しかし、美咲にマコが運んでくれたのだと聞いて顔から火が出そうな程恥ずかしかった



「いいよ。気にするなよ。僕の方こそ勝手に由恵の部屋に入ってしまってごめんな?」


マコが優しい声でそう言ってくれる

私はそれに

「そんな事ないよ。ありがとう。」

と答えると次の言葉が見つからなくなってしまった



今日、マコに電話をした理由…それはこの間の事を謝りたい…

そして、GWの旅行を前に聞いておきたい事があったのだ…

ずっと聞くのが怖くてはっきりさせられなかった事…



初めてマコとデートした夜…海辺で交わしたキス…


あのキスにはどんな意味があるのだろう…


私にとっては甘く幸せな時間だった。

しかし、マコはあの時唇を離すと

「ごめん」

と一言、言ったきり私の顔を見てはくれなかった…



それが怖くて、私は何も言えないまま友達の振りをしている

あれから何度かマコと会う事はあった

しかし、いつも私から誘っていた…



そして美咲の存在が急激に私を不安にさせた


…どうしても旅行を前にマコの気持ちを私に向けさせたかった…



「…マコ?…マコは彼女作る気ないの?」


…私なりにさりげなく聞いたつもりだった

しかし、言葉にしてから寧ろ直球な質問だと気付き後悔する…


………。


「………ごめん…少し待ってて欲しい…」


マコが搾り出す様に返事をする



(…ごめん…)


私はその一言で胸が張り裂けそうになる…

私の気持ちを全て悟ったマコの台詞…


目から流れ出す涙を、電話越しにマコに気付かれない様に精一杯明るい声を出す



「やだな…ごめんなんて言わないでよ…何も出来なくなっちゃうよ…」


私の言葉にマコは何も答えられないでいる

私はそんな沈黙が怖くて精一杯言葉を探す


「マコ…?マコにとって私は迷惑なのかな?」


「そんな事ないよ!…ただ…中途半端な気持ちのまま…キス…したりしたから…謝りたくて…」



私の言葉に直ぐさま返事をくれたマコとその台詞に私は胸を撫で下ろす



「僕…由恵が嫌いな訳じゃないんだ…ただ…」



「…友達でいいから…マコを好きで居たいから…待ってる…」


私は続きを聞くのが怖くて精一杯、言葉を重ねた…

そして


「…もう遅いから寝るね?旅行の時にでも返事を聞かせて欲しい…」



と続けると電話を切った


瞳から溢れる涙は止まってはくれない

あの日、唇を重ねた時…気持ちが通じた様な気がして幸福感に浸った自分が惨めになる…


…あの時も観覧車の時も…精一杯の勇気を出して私はマコに寄り添った

そうゆうやり方は卑怯なのかとも思ったけど…マコまで美咲に取られてしまうのは嫌だった…


…世界中の男達が私よりも美咲を選んだとしても…マコには私を選んで欲しかった…


それ程までにマコが欲しかったし…美咲に勝ちたかった…



私は膝を抱えて顔を伏せる。溢れる涙はいつまでも止まってはくれなかった

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