27優柔不断男
僕の宝物を御愛読の皆様へ〜皆様の応援で、この作品が恋愛ランキングへ入らせて頂く事が出来ました!昨日のアクセス数もラブノベランキングで20位以内に入れた事にとても感謝しております。そして、これからも応援よろしくお願いします!〜バックハイ〜
「ふぅ…疲れた…」
帰って来たって誰かが居る訳ではない
でも僕は、今日一日の疲れを、ため息付きの独り言で外に出した
結構、お酒を飲んだせいで口の中はまだまだ酒臭い
ベットに倒れ込みながら今日一日の出来事を思い返す
今日は智博と竜揮と三人で遊びに行っていた
…とは言っても、ゲーセンに行っていただけなのだけれど
そこでGWの話になり、竜揮が元子達が買い物に行っている事を話し出した
そこで智博が
「皆で食事に行こう!」
と言い出し
…結局、食事ではなく居酒屋へと向かったのだ…
一ヶ月以上振りに会った美咲は、初めて見るスカート姿で…正直、僕は見とれていた…
でも…前回、デートの約束を美咲に断られた次の日、由恵からあった電話で
「美咲、風邪ひいたって言ってたけど酷そうなの?」と本当に何気ない気持ちで聞いてみた
その質問に
「美咲、風邪ひいたの?この前電話した時は全然元気そうだったけど?」
と答えた由恵
…本当に風邪だったのかも知れないが…僕は、美咲に体よく誘いを断られたのじゃないか。とゆう不安から…その後、美咲を誘う事が出来なくなっていた
…美咲からも、あれ以来連絡が来る事が無かった事もあり、僕は美咲に距離を置かれ始めた事に気付いてしまっていた…
…元々、美咲が僕なんかを気に留めるはずもない
そんな事は始めから分かっていたハズなのだが…
(…私、マコちん好きだな…)
…以前、美咲が言ってた一言…
それに特別な意味などは無いのは分かっていた…
でも、智博に対してとは違い僕と一緒に居る時、美咲はとても楽しそうに笑っていた
それが本当に嬉しかったんだ
…でも…
デートを断られ以来、美咲は僕に特別な想いを抱いてなどいないと改めて実感させられた…
…思い知らされたのだ…
あれから由恵とは何度か会ってはいた
いつも由恵から誘いの電話をくれている
由恵と一緒に居る時、僕は向けられて来る由恵の想いにいつもドギマギしていた
きっと、本当に僕を想ってくれているのだと伝わってきた
…何度も言うが、僕は竜揮や智博の様にモテる人種ではない…
それ故、由恵への対処をどうして良いのか解らないでいた
由恵は可愛いと思うし、僕なんかには勿体ない
…正直、由恵に腕を掴まれ下から覗き込むような目線で見られると…僕は性欲を抑える自信が失くなる程だった…
…でも、今の気持ちのまま由恵を受け止める事はどうしても出来ないでいた…
(…私ずっと美咲に嫉妬してるの…)
以前、由恵が言ってた言葉を思い出す
…僕の中で、美咲に惹かれている部分がある内は、由恵をどうしても受け止められない…
美咲に憧れを抱いていながら由恵を受け入れるのは、とても失礼な事に思えた
…現に僕は、今日美咲に部屋へと誘われた時、どうにも為らない程気持ちが高ぶってしまっていた
軽く断ってしまった自分に後悔して、もう一度誘ってくれないかと考えてしまっていた
…しかも、帰ろうとしている美咲の腕を掴んで、引き止めようともした…
「…はぁ…」
僕は大きなため息を吐いて、自己嫌悪に陥った…
…本当に僕は優柔不断な男だ…
…大体、僕なんかが由恵と美咲と…どちらかを選べる様な環境ですらないのに…
…少しモテている様な感覚に陥っている事自体が、大きな勘違いなのだ…
…今までの人生を振り返ってみろよ…二股掛けられていたり、高価な物をねだられたり…そんな僕だぞ…?
僕はそんな風に自虐的な事を考えながら、足元に丸まっていた毛布を頭から被った
…しかし、こんなモヤモヤした気持ちのまま眠れるハズもなく…
「ダァーッ!」
そう言いながら布団から跳び起き、テーブルの上のタバコに火を付けた