25久々の再会
あの電話以来、私はマコと会う事は無くなっていた
私からマコに連絡をする事は無かったし
マコからの連絡も入らなかった
由恵とマコはあれから何度か会ったりはしているみたいだったけど、二人がどんな関係になったのかは私には分からない
私は、出来るだけマコの事を考えないようにしていた
…マコを想うと、自分の行き場のない想いが惨めになるだけだった…
「GWにさ、皆で旅行に行こうよ」
元子がそう電話をよこしたのは四月も、もう終わりに差し掛かった頃だった
私はマコに会えるとゆう期待感から胸を高鳴らせた
どうせマコは由恵と一緒に居るだろう…でも、私はマコに会いたくてどうしようもなくなっていた…
「旅行か…うん…いいよ。」
元子の誘いに私は、少し悩んだそぶりを見せながら返事をして、GWの旅行を迎える事にした
その次の日曜日、私は元子と由恵と買い物に来ていた
三人で旅行に着て行く洋服やパジャマなどを見に来ていた
「竜揮…こうゆう服、好きなんだよな…」
「…私も少し、違う雰囲気の服買ってみようかな…」
そう言いながら、楽しそうに買い物をする元子と由恵
私はそんな二人を眺めながら並んである洋服を手に取る
不意に流れてきた聞き慣れない着信音
「もしもし?…今?皆で買い物だって言ったじゃん」
そう電話に出て話始めるのは元子
「…えぇ?…うん…皆に聞いてみる」
元子はそう言って電話を切ると
「ねぇ、これからご飯でも食べに行かない?竜揮も今、三人で居るらしくて…」
私達の方へ来てそう聞いてくる
「行きたい!」
その言葉に真っ先に返事をしたのは由恵だった
私もその言葉に促される様に
「いいよ」
と返事をした
そしてすぐに買い物を終わらせて外に出ると既に竜揮の車が止まっていた
元子が助手席へと乗り込む
私と由恵は後部座席から出てきたトモとマコに促され車に乗り込む
前回の定位置、私とトモ、後にマコと由恵の順に座った
「マコ、この間はありがとうね」
後ろから聞こえてくる由恵の声
私はその言葉を耳にして、胸が張り裂けそうな想いを感じていた
「…美咲ちゃん今日はスカートなんだね?マジ可愛い…」
隣でトモが口を開く。私はその言葉に
「今日は智博君が居ないと思ったから…」
と言って悪戯気に笑って見せた
その言葉を聞いて後ろで笑っているマコ…
私は車に乗ってからずっと見れないでいたマコの顔をちらりと見る
以前会った時より少し髪が短くなっていたマコに、多少の距離感を感じた
しかし、やはり私の胸の高鳴りは以前と何も変わらなかった
「でも美咲、今日は本当に可愛いよ」
私を見ながら笑顔で言うマコ
私は胸の高鳴りを抑えられずに、視線を前に戻しながら
「ありがとう」と呟いた
それから私達は和食がメインの居酒屋へと来た
皆、ビールを片手にGWの話で盛り上がっている
「俺はプールとかあるホテルがいい!」
「無茶言うなよ…ホテルを探す身にもなってくれ…」
トモの言葉にため息混じりで答える竜揮
「じゃあさ、温水プールが近くにある所に旅行に行って、次の日皆で行こうよ!」
元子も楽しそうに話始める
「…GWまでなんてダイエット間に合わないよ…」皆の話を聞きながらぽつりと呟く由恵
そんな皆の様子を笑いながら見ているマコ
私は一人、取り残されたような気分になって持っていたビールをグイッと空けた…
それから二時間程飲んで、会計を済ませ私達は店を後にする
「マコー気持ち悪い…」
そう言いながらマコに寄り添う由恵
…相当飲んだみたいだ…
「マコ?俺達、代行で帰るけどどうする?」
「僕は智博と由恵を送らなきゃなんないし…四人でタクシー拾うよ」
竜揮の言葉にそう返したマコは、道端で横になっているトモの肩を抱きタクシーを止めた
助手席にトモを乗せドアを閉める
私は由恵の腕を掴んで後部座席へと乗り込んだ
続けてマコも乗り込む
私、由恵、マコの順で並びタクシーは出発した
「…マコ…」
私はそう呟きながら、マコの膝の上で眠る由恵をちらりと見てから視線を窓の外へと移した