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24凍結された想い

「…………。」



私は今日もベットの上でクマを虐めていた

…明日はマコとデートだとゆうのに…気分が乗らない…


先週、由恵からあった一本の電話


「私ね、マコが好きなんだ」


由恵はそう話を切り出してきた



「私は私なりに頑張るつもりだから…」


「…何もしないで終わらせるつもりはないから。」



…由恵が電話口で言っていた言葉が次々に頭を過ぎる…

そして最後に由恵が言っていた台詞が、私の胸の苛立ちを余計に駆り立てていた


「美咲がマコと付き合うつもりがないなら…惚れてる訳じゃないなら…マコの気持ちを振り回さないで欲しい…」


私は…私はマコを振り回しているの?

ただ一緒に居たいと思う、この気持ちはマコを振り回している事になるの?


私はクマを抱きしめたまま寝返りを打つ


…由恵は昔からとても可愛かった


小学生の頃、いつもフワフワの洋服を着て私に笑いかける由恵

そんな由恵が私はいつも羨ましかった


私にない物を沢山持っている由恵

中学生になって恋を覚えた時、由恵の様になれば先生も私を女として見てくれるかなって思ったっけ…


鏡の前で由恵の笑顔を思い浮かべながら、私も笑顔を作る

…でも、やっぱり私には由恵のフワフワの笑顔は真似出来なくて、代わりにピンクのリップを塗った


でも、先生に私の想いは届かなくて…


教室で一人泣いてる私に

「頑張ったね」

って言ってくれた由恵


そんな由恵を私はずっと大切にしたいと思っていた



気が付くと頬を涙が流れていた

私はそれを拭って枕に顔を伏せる



不意に携帯から流れる着信音

開いてみるとマコからだった


「もしもし美咲?」


電話口から聞こえてくるマコの声


「明日なんだけど、待ち合わせはどうする?」


私はその言葉に一瞬躊躇ってから口を開く


「…マコちん…私、風邪ひいたみたいなんだ…明日行けないや」


「…そっかぁ、ちゃんと治せよ?出掛けるのは今度、ちゃんと治ってからな」


私の言葉にマコは心配気に答える


「…ん、ごめんね。」


私はそう言って電話を切った…

…これで良かったんだ…

私は自分にそう言い聞かせる

でも、そんな想いとは裏腹に流れ出した涙は止まってはくれなかった


会えないと分かると余計に会いたいと思ってしまう

きっと、こんな気持ちがマコを振り回してるんだな…


そんな事を考えながら、私はマコがとても好きなんだと気付いてしまっていた…


しかし、私は由恵の電話を思い出す

(私ね、マコが好きなんだ…)


由恵のその声は今にも崩れてしまいそうで…

とても切なく、必死だった


私は、自分のこの気持ちが由恵を傷付けてしまう事が怖くて堪らなかった



…全て無かった事にしよう


この気持ちも、マコと笑い合った日々も…



私はそう決心した

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