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夏生詩集2

いい加減な聖徳太子

作者: 夏生

心配性の性分で

今日は雨風強いと

屁理屈つけて

こどもの登校ついていく


雨のなか

事故にあわないように

怪我のないように

変な人にあわないように


きりきりしながら

慎重に右左右

腰あたりから

黄色い傘がくるくるまわる


見守り隊のみなさん

上着はやさしい緑色

黄色い旗が目印です


雨には動じないよ、と

息子の友だち目をきりり

風が雨がと甲高くうるさいのは

我が息子

情けないぞ!と笑顔で一喝


あのね、この傘ね、おじいちゃんに

買ってもらったの

ポケモンミュージアム行ってきたよ!

聞いて、聞いて、ともくんがね…

ゲーム買ってもらったの!


お話し隊はにぎやかで

私の返事は生返事

ごめんよ、ごめん

聞いてるよ、本当に


胸いっぱいにたまったお話が

雨粒と一緒に弾けてとんで

私は傘を傾け耳を傾け

水溜まりを先に越えていく


学校に近づくと

私はほっとして

こどもたちは小さな口元

力入って瞳はお行儀よくなって


小さな背中にいってらっしゃい

負けるなよ!とちょっぴり喝

胸奥に疼いた痛みは今なのか

昔のものか区別つかず


いい加減な聖徳太子

無事に任務終えて

水溜まりを飛び越えて

来た道を帰りました







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