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なりゆき勇者の異世界転生  作者: 蜜蜂
なりゆき勇者は目覚める
21/75

終章 エピローグ

 今回はこれでおしまいです。

 ん?なんか時間が飛んだような…………気のせいか。

 あの魔族襲来事件からすでに二週間あまり。

 もう緑は枯葉となり、周りの景色は紅く染まっている。

 色とりどりの枯葉紅葉。


 とても風情があっていいと思う。

 米も収穫時になり、今現在収穫中だ。

 冬の間の米の保存は、僕の提案した高床式倉庫により保存される模様。

 ねずみによるかじりものやそれによる感染症の被害が結構あるらしい。


 僕の提案した高床式倉庫はねずみ返しがついているのでねずみが入る心配はあまりない。

 これから感染症の被害は減っていくだろう。

 とはいえ、随分とこの街に長居したなーと自分でも思う。


「そろそろ離れなきゃいけないのにな」


 そうつぶやくと同時に風が吹いた。

 紅葉が山から風によって運ばれてきた。


「はあ、なんでだよ」


 行商人は本来来るはずだったときをわざわざずらしてやってくる。

 二週間前の魔族襲来はよほど強い影響だったのだろう。

 そろそろ徒歩で歩く覚悟をしなければ……!


「シラユキ。ご飯ができましたー。……?」


 くしゃみが……でそうで……でない……!

 鼻をすすり、くしゃみを促す。


「シラユキ……どうしたんですか?」


 後ろからフタバにより声がかけられる。


「ごめん。ちょっと待ってて」


 そう返す。くそうっ。くしゃみが出ない!


「泣いてるんですか?」


 あっ、なんかくしゃみでそう。

 フタバが僕のほうにやってくる。


「寂しいんですね?この街を離れるのが」


 なんか言ってるけど今はくしゃみが出そうでそれどころじゃない。

 さらにフタバは僕の前に来る。

 やばいもう我慢できない。


「くしぃっ!」


 僕はフタバの顔に思いっきりつばを飛ばしてしまった。

 こ、殺される……!

 僕は戦慄した。

 フタバの肩が震えている。


「ま」

「ま?」

「紛らわしいことをしないでください!」

「りーふーじーんーだー!」


 僕も悪かったけど!僕も悪かったけれど!完全にあなたが勘違いしたんじゃないですか!


「とはいってももうしばらくはここにいるよ。徒歩とかで移動とか面倒だし」


 女勇者がここにくるという情報がある。ここでそのこと入れ違いというのは面白くない。


「それよりもほら拭いて」

「当然です」


 僕から拭き物をもらい顔を拭く。


「それよりも、シラユキご飯ですよ」

「ああ今行くわ」


 僕は階段を下りてみんなと一緒に食卓に着く。


「「「「「いただきます」」」」」


 さて、僕のほうはどうしようか。

 冒険をする以上サバイバルは間違いない。


(――――ならサバイバルに使えそうな道具を製作するか)


 作るのはライターだ。

 それも古いタイプの。火打石をこすらせてその火花を引火させるタイプの。

 今はスイッチから発生する火花が昔のより多いが、今回の場合、これが役に立つ。

 いちいち能力でいろいろするというのも手間はかからないが味気がない。


(あとは保存食ぐらいか)


 ジャムとか、干し肉とかは実際保存食として使われていたからそれはぜひとも作っておきたい。

 イチゴは……季節がややずれているがぎりぎり大丈夫。

 ブルーベリーは今が旬だ。


「ジャムを作るか」

「ジャム?あれがどうかしたんですか?」

「いや、あれは食べ物として長持ちするから是非作っておこうかなーと思ってね」

「そうなんですか。私もお手伝いします」

「ありがとう。瓶にもつめるから蓋の用意をお願いね」

「はい」


 僕はとりあえずこれからのサバイバルを意識したものをそろえていこうと思う。

 成り行きですが勇者ですから。


 まあもちろん、それだけじゃいけない。

 とりあえず。他にもいろいろ。


「すいませーん。親方ー?」

「おう!坊主よく来たな。久しぶりじゃねえか!今日はなんのようだ?」

「はい、これから作るものがあるので是非親方に手伝ってもらいたいと思いまして」

「そうか。どんなものだ?」

「ええと、ライターといいます」

「ライター?物書きのことか?」

「ライター違いです」

「じゃあなんだ?」

「火打石なしで火をつける道具です。一応材料はイメージできているのでそれを早速手に入れて使いたいなと」

「ほう、どんなものだ?」

「まずは火打石」

「いきなり使うじゃねえか」

「僕のいたところでは、ちっちゃいことは気にするなよく言います」

「矛盾は大きいことだと思うんだが」

「ですが、それを作ってしまえば、火をおこすのは簡単になります。材料はさっき言ったように火打石、他にはアルコール。お酒ですね。あとは太くて丈夫な糸」


 構造は多少改造して、アルコールを入れれば何度でも使えるように設計する。

 それを親方と一緒にしたいと思っている。


「そうか。じゃあ、まあ悪いがいつものあれを頼んでいいか?」

「ああ、はい」


 僕は金属の廃材を取る。埋めにいくのだ。

 必要なときに掘り起こし、再び再利用するらしい。

 さびているが、還元させれば問題ない。


「じゃあ、行くわよ!」


 アカネが他の廃材を持つ。荷物としては僕がアカネの三倍プッシュの状態だ。それ以上はバランスが崩れる。


「おけー」

「それにしてもありがとう」

「ああ?何が?」

「魔族のときのことよ」

「ああ、あれね。半分は僕のせいみたいなもんだから気にしなさんなや。むしろ僕が謝らなければいけないはずなんだけど……」

「でも、私たちじゃあんたの足手まといだったわ」

「だから気にするなって言ってんでしょ?あれはしょうがないの。圧倒的な生き物なの」

「それらも圧倒してたじゃない」

「僕自身はあくまで強くないよ」

「それでも助けてくれた。結果論よ」

「はあ、疲れるな」

「とりあえず、さっさと荷物運んで遊びに行こうぜ」

「分かったわ。でもフタバのところ手伝わなくて大丈夫なの?」

「あの人たちは「あなたを働かせるなんてとんでもない!」とか言い出して。結局押されちゃったんだよね」

「なるほど。一応命の恩人だしね」

「まあ、スキルに感謝はしないとね」



「ういーっす」

「デート!」

「しない」

「ちっ」

「なんかもうパターンだな」


 僕はアカネとソティアと遊んだあと、協会にやってきた。

 セラは相変わらず僕に懐いてくるけれど、正直身長に差があるせいで素直に喜べない。

 能力で背を高くしようかと思ったが、残念ながらそういった能力は作れなかった。

 さすがに直接自分の体を変形させるのは無理らしい。


 肉体強化はできるのに。


「貧乏の心配はなくなっただろ?」

「はい。おかげでお金はたまってるんですけれど、それの使い道がないので、今回の襲撃で身寄りをなくした子供たちを引き取って食べ物をあげたりしています」

「そう……か」


 僕が救えなかった命。

 僕がもう少し対策を早めに打っておけばこんなことにはならなかったのだろう。

 こればっかりは神様のせいにはできない。

 来るのは分かっていたことなのだから。


 予測されていたのだから。


「ねえ。その子達に挨拶をさせてくれない?」

「えっ?あ、はい」


 僕たちは移動する。

 教会の奥。居住スペースのところだ。

 そこには十歳前後の少年少女が数人いた。


「お姉ちゃん!お帰り!」


 十二歳くらいの少年が駆け寄ってくる。


「この人誰?」

「私の恋人「じゃねえよ」」

「言葉をかぶせないでください」

「だが断る」

「で?誰?」

「うん。友達だよ」


 僕は精一杯の笑みを浮かべる。

 この子達は僕のせいで親を失った。

 そう考えると涙が出そうになる。


「ごめんね。君たちのお父さん、お母さんを護れなかった。僕が力を及ばなかったから」


 声は震える。今にも泣きそうだ。


「気にしないでよ。お兄ちゃん確かおれらを守ってくれた人だろ?ダーテ様から聞いてる」

「そうだよ。父ちゃんと母ちゃんが死んだのは悲しいけど、生きていることをまず喜ばないと」

「そうか。君たちは強いね。すごいいい子達だ。僕なんかよりよっぽど強い」

「へへへ。ありがとう」


 僕はその子の頭をなでる。

 くすぐったいのか、頬が緩んでいる。


「ボク。君はお兄ちゃんだから、泣くなとは言わない。でもここにいる人たちを守ってあげてね。僕はそう遠くないうちに出て行く。とはいってももうしばらくはここにいるけれどもう、ここにはこない」

「えっ?」

「頼んだぜ。僕の友達を守ってくれよ」

「ああ、分かったよ兄ちゃん」

「ホント、強い子だ」


 僕はそう言って、笑みを浮かべた。


「じゃあ、セラ。面倒を頑張ってみてやれよ」

「もう来ないってどういうことですか?」

「もう少しで僕の仲間になるかもしれない人が来る。だから、その人が来たら、その人と一緒にこの村を出る」

「せめて最後にはちゃんと声をかけてくださいね」

「分かってるよ。あたりまえだ」


 僕は彼女に笑みを浮かべる。


「最後に一つ言わせて」

「なんですか?」

「僕と友達をしてくれてありがとう」

「その言葉は反則ですよ」

「友達がいなかったモンでね。うれしかったんだよ」


 そして、僕は教会をあとにした。

 そのあと家に帰る。そして、ブルーベリーとイチゴの二種類のジャムを作り、その日は寝た。



 そして、女勇者はやってくる。



   なりゆき勇者の異世界転生〜一章終了〜

 これからは、書きためたり、誤字の修正を行っていきたいと思います。

 前半部分は誤字脱字の宝箱の状態なので。

 次回はみんなから聞かれてもいない質問にどしどしひねりだして、答えていくぜ!すいません。ただ作者がやりたいだけです。

 その後新章を投稿の時には活動報告にて報告させていただきますので早く新章を読みたいという方は、お気に入りユーザーに入れてください。

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