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友だちはへん人ばかり  作者: せい
第四話 俺たちの満ち足りたる夏休み
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へん人No.2&3&6 栖桐&朽葉&芭逸 その1

タイトルが長い!

「め、()ちゃん!? どうして女々ちゃんがここに!?」


「ふっふっふ、光と闇がついの存在であるように()と先輩も二人で一つ。そう! 言わばプリキュアみたいなものです!」


「やめろ! 固有名詞を出すんじゃない! せめて伏せ字の一つくらい入れろ!」


「あ、これはうっかりしてました♪ これじゃあ頭隠してなんとやらですね。えっと、それじゃあ――女々花と先輩も二人で一つ。そう! 言わ(バー)プリキュアみたいなものです!」


「そこじゃねぇよ!! 頭どころか尻も隠してないゃないか!」


「裸にネクタイって感じですかね?」


「そんなんただの変態じゃねぇか!」


 色んな人に怒られても知らねぇぞ……。昨今の著作権問題は深刻だということを、この子は知らないのだろうか。


「うーん、でも裸にネクタイかー」


 それはそれでなかなか背徳的と言うか退廃的と言うか……。

 引き締まった筋肉に、アンバランスながらも何処か統一感のあるネクタイ、腰にはリボルバーが入った黒光りするホルスターを装着し、海パン一丁で犯人に向かって勇猛果敢に立ち向かう一人の刑事――って、待て待て!! なんで俺は海パンを想像してるんだよ!? 裸エプロンならぬ裸ネクタイで、変な方向に脱線しすぎだよ俺の脳みそ!


「ねぇ……彰君。その子って誰なの……?」


「二人で寸劇を始める前に、ボク達に対してするべきことがあると思うんだけど」


 女々ちゃんと著作権ギリギリ――というか、もはや完全にアウトだ――な会話をしていると、机の左右に座っているが怪訝な顔をしながら聞いてきた。

 そういえば、結局二人には女々ちゃんの事を話してなかったんだっけ。まぁ、来ちゃったもんは仕方無いからここで二人にも紹介しておくとするか。


「ゴメンゴメン、この子の名前はいつ女々花ちゃん。えっと――メメントモリ……なんだっけ、まぁそこの部長もしてる一年生だ。悪い子じゃあないから仲良くしてやってほしい」


「よろしくお願いします」


 俺の背中を掴みながら顔を出し、女々ちゃんがペコリと頭を下げた。何故か俺と話していた時より、声のトーンが落ちている。……もしかして人見知りなのか?


「ふーん、ま、ボクの名前はくち千羽だよ。よろしくね」


「私の名前は……どう華菜乃だよ。よろしくね、女々花ちゃん」


 相変わらず千羽は怪訝な表情のままだったが、お互いの紹介も済んだ事だし、これで勉強会を始めれるな。


「それじゃあそろそろ勉強会を――」


「ちょっと待ったー!」


 机をバン! と叩き、眉を寄せながら千羽が立ち上がる。えっ、もしかして怒ってるのか!?


「まだその子とアックンの関係を聞いてないんだけど! 結局どういう関係なのさっ!」


「あーー…………」


 そういう事か……。流石に『この前の騒動を作った張本人』なんて言えないし……。うーん、何て説明するべきか。

 頬をぽりぽりと掻きながら思案していると、背中をトントンと叩かれた。


「……? どうした?」


「先輩が困ってるようでしたので、女々花が自分で説明しようかと思いまして」


 口に手を添え、ぼそぼそと耳打ちしてくる。

 ふむ、だったらここは女々ちゃんに任せてみようか。自分の事だから俺より上手に説明出来るだろうしな。

 千羽達に女々ちゃんが見えるよう、座ったまま体を少しだけ横にスライドさせると、女々ちゃんはキリッとした顔でこう言った。


「先輩と女々花は一緒に夜の学校で汗を汗を流しあった仲です!」


「ちょっ!?」


 何だよその語弊に塗れた説明は! そんな説明じゃあ、俺たちが夜の学校でいかがわしい行為に及んでいたみたいじゃないか!

 いや、ちょっと待てよ? 何も、学校で汗を流したからと言って、それが=えっちぃ事に繋がるってのは些か早計なはずだ。

 文化部ならともかく、運動部の連中は毎日毎日、朝と夕〜夜に汗を流している。これくらい、頭がいい二人なら簡単に分かるだろ!


「そんな……! 彰君ってロリコンだったの……!?」


「……アックン、ロリコンは……病気だよ……」


「信じた俺が馬鹿だった」


 しかもロリコンて。濡れ衣ってやつにも程があると思うぞ!?


「これ以上、アックンのロリぢからを強くするわけにはいかない……! 悪いけど、アックンのそばにキミみたいな子を置いておくわけにはいかないよ」


「待ってくれ千羽! ロリ力ってなに!? そんなの俺聞いたことないよ!?」


 あと、りょくじゃなくてぢからって言っているところに拘りを感じる。


「これによると……今の彰君のロリ力は……十八万ってところだね……」


「スカウターっぽく目に当ててるけど、それただの定規だよな!?」


 あと、高いのか低いのかわかんねぇ!


「女々花はあと変身を二回残しています……この意味がお分かりですか?」


「女々ちゃん意外とノリノリなんだな!」


 なんだよコイツら! 本当は仲良しなんじゃあないかって思うくらい息が合ってないか!?


「くっ……このままじゃあ埒が明かないね……! ――そうだ! ねぇキミ、メメカって言ったっけ?」


「はい、そうですけど?」


 女々ちゃんの返事を聞くや否や、千羽は手を腰に当て、右手の人差し指をビシィッ! と突きつけながら声高にこう言った。


「ボクとキミとで勝負したまえ!」


「勝負……ですか? 女々花は一向に構いませんけど、一体何で勝負をするんです?」


 女々ちゃんが首を傾げながら勝負の提案者である千羽を見上げると、千羽は「もちろんこれでだよ」とポケットからトランプを取り出した。


「チーチャン……いつもトランプ持ち歩いてるんだ……」


「これくらいギャンブラーとしては当然の嗜みだよ?」


 さも「当たり前じゃん」とでも言わんばかりに、ニカっと笑う千羽。そんな嗜み初めて聞いたわ。


「トランプですか? うーん、女々花そういう運が絡む事って苦手なんですよねぇ。商店街の福引きとかはいっつもハズレのティッシュしか貰えませんし、おみくじとか引いてもだいたい吉か末吉ですし……」


「ふっ、だったらわざわざ勝負しなくても結果は見えてるってことだね」


「いや、だとすればそれは勝負じゃないんじゃないか?」


「なんだいアックン? キミはボクじゃなくてこの子の味方をするって言うのかい?」


 千羽が半眼で俺の顔を覗いてくる。


「そういうわけじゃあないんだけどさ。ただ、それだとあまりにもハンデが有りすぎると思ったんだ。だってそうだろ? 千羽が凄腕のギャンブラーなのに対して、女々ちゃんは恐らくズブの素人なわけだし、そんな二人が勝負をしたところでそれこそ勝敗の行方は明白だろ?」


「……まぁ、そうだね」


「それにな? 千羽は、素人を倒して悦に浸るような三流以下のギャンブラーなんかじゃないだろ。だから俺はギャンブル対決を止めたんだよ」


「そっか……うん、そうだね。ちょっとそこまで考えが及んでなかったよ」


「でも、そしたら勝負の内容はどうするんですか? 先程も言いましたけど、女々花は勝負自体は賛成ですよ?」


 そう、問題はそこなんだよなぁ。平等且つ、公平な勝負方法って何かあったっけ? それこそギャンブル要素がある勝負だと千羽が勝っちゃうと思うし……。

 腕を組み、トランプの山をシャッフルするように思考を回転させていると、不意に華菜乃が手を挙げながら喋りだした。


「だったら……料理対決とかって言うのはどうかな……?」


「えっ、料理?」


「うん……。チーチャンと女々花ちゃんにそれぞれ料理を作ってもらって、それを彰君が食べて判定するの。それなら……公平だと思わない……?」


 なるほど、そいつは妙案だ! それなら運が絡む事もないだろうし、これ以上無いってくらい平等な勝負に――


「……ちなみに、二人って料理とか自分で作るのか?」


「自炊はしたことないね。あと家庭科の成績はあんまりよくない、かな」


「女々花も家庭科は苦手です……この間、調理実習の補習を受けちゃいましたし」


「…………なぁ、華菜乃。俺と判定役を替わってくれないか?」


「それじゃあ……勝負方法は料理対決で決定だね……♪」


「ねぇ! マジで頼むからさぁ!!」


 こうして、千羽と女々ちゃんの料理対決が始まった。


 続く

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