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友だちはへん人ばかり  作者: せい
第三話 芭逸女々花の独善たる好奇心
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へん人No.2 栖桐華菜乃 その16

お、おひさしぶりなんだな!

「『30ゲーム』のルールは分かる?」


「うろ覚えですけど……なんとなく」


 俺が惨敗した『数当てゲーム』の次に行われるゲームは『30ゲーム』らしい。


「『30ゲーム』……か」


 昔少しだけやったことがある、気がする。

 『30ゲーム』という言葉にはあまり聞き覚えがなかったけれど、似たような遊び(ゲーム)ならやったことがあるな。

 ピラッミッド状に書かれた『|』を一本から三本まで一度に消していき、最後の一本を消したほうが負け。ってやつだ。


「つーか――どうが知ってるって、なんか意外だな」


「そう……?」


 (ポー)ケモンを知らないくらいだから、『30ゲーム』なんてマイナーなゲームこそ知らないと思ってた。まぁこれは完全に俺の偏見だけど。


「それなら話しは早いねぇ♪」


 何故か嬉しそうな顔をしているあまでらさんは、パンッと一つ、軽快な柏を叩き「じゃあ始めよーか♪」と言った。


せんくん、勝利の栄光を君に」


 ――見ると、パンチパーマ頭の男子がリーダー格と思われる、リーゼント頭の男子に向かって敬礼していた。


ばん。そういうのいいから、とっとと行ッてこい」


 上手い返しを期待していたのか、パンはひどく残念そうな顔をしながら席についた。


「それじゃあ、負け犬チームからは番地くんが出るってことでえぇんじゃね。ハーレムチームからは――誰が出る?」


「栖桐、、ここは俺に汚名返上させてくれないか?」


 このままじゃ終われない。ここはなんとしてでも勝って俺の名誉を挽回しないと……! 俺は決め顔でそう言った。


「あぁ、ちなみに一回出た人はもう出れんよ~」


「…………えっ」


「そりゃそうじゃろ~。しかも――秋葉原くん負けとるじゃん♪」


「はぁ――ですよね」


 ダメなのか。あと、俺の名前は荒木です。さっきからちょくちょく間違えて言ってるのをスルーしてるけど、秋葉原って名前を認めたわけじゃないからな!


「ま、もし出れたとしても、あんなに無様に負けたアックンにはとても任せられないけどね」


「はぁ……ですよね」


 隣に立っている千羽から辛辣な言葉を頂いた。ちなみにジト目のオプション付きだ。


「こ、ここは……私が勝負するよ。これなら……ゲームをあまり知らない私でも出来そうだし」


「うん、ボクもそれがいいと思う。それじゃあお姉さん、こっちからは栖桐さんが出るよ」


「決まった? じゃあ~二回戦! 『30ゲーム』始めるよ~。ルールは簡単。『1』から『3』までの数をお互いに申告して、先に『30』を言ったほうが負けね~。先攻は栖桐さんから。レディー・ゴー!」





 ――勝負はものの数分で決着がついた。


「……『23、24、25』」


「に、『26』……」


「……『27、28、29』」


「あああああああああっ!! ちくしょおおおお!! 『30』ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」


「そこまでじゃね~。勝者はハーレムチームの栖桐さ~ん♪」


 あっという間、そう、本当にあっという間だった。

 先攻を取った栖桐はまず『1』と言い、余裕顔を見せていたパンチは一気に『4』まで数え、その後も栖桐は少しだけ考えながら慎重に数字を言い、気がつけば勝っていた。


「ま、当然の結果だろうね」


 どこか得意げにしながら、千羽が呟いた。


「どういう事だ? 当然って――」


「このゲームにはね、必勝法があるんだ」


 ちょいちょいと手招きし「しゃがんで?」と合図したので、しゃがむとそのまま千羽が、ぼそぼそと耳打ちしてきた。

 耳に当たる息がくすぐったかったが――女の子から耳打ちなんてされたことなかったので、自然と心臓の鼓動が早くなった。なんだこの背徳感。

 とにかく滅茶苦茶ドキドキしていたが、千羽の言葉に意識を集中した。


「とは言っても、最初に先手を取れれば――ほぼ勝ちは決まったようなもんなんだけどね」


「そうなのか?」


「うん。先手を取ったらまず、『1』って言うんだ。そして後は『4の倍数に+1』をした数字を言えばいいんだよ」


「……ってことは『1、5、9、13、17、21、25、29』を言えるように誘導すればいいってことか?」


「そのとーり♪」


 千羽に言われたことを思い返しながら、頭でシュミレートしてみる。……おぉ! 確かにその通りだ! 最初に『1』か、どこかでさっきの数字を言えれば必ず勝てるじゃないか!


「ま、何も知らない人同士だったらどっちが勝つのかは分かりにくいんだけどね。どこかの誰かさんとは違って、栖桐さんはちゃーんと分かってたみたいだね♪ 誰かさんと違って♪」


 まったくもってその通りだったので、黙って頷いておいた。二回繰り返したのは……大事なことだからだろう。


「ご、ごめん……俺が勝ってれば、これで決まりだったのに……」


「あッちが一枚、うわだッたッてだけだ。気にすんじャねェよ」


 負け犬チーム、もとい、三人組は負けたこともあってか少しばかりテンションが下がっているようだったが、負けられないのってのはハーレムチ……じゃなくて俺達も一緒だ。

 なんにせよこれで一勝一敗の同点であり、勝負の行方は次の三戦目で決まる。

 席を立って俺達の間に割り込んできた栖桐に、「お疲れ様だったな」と、ねぎらいの言葉をかけつつも、最終戦の勝負内容が決定するのを待っていた。

 天野寺さんが「それじゃあ引くよ~」と言いながら、箱に手を突っ込み――


「よいしょ~!」


 取り出し、頭上に掲げたボールには『普通のポーカー』と書かれていた。


 続く

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