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友だちはへん人ばかり  作者: せい
第三話 芭逸女々花の独善たる好奇心
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へん人No.2&3 栖桐&朽葉 その5

芦屋「あのー朽葉さん?」

千羽「燃えるゴミの日なら月・水・金だよ」

芦屋「生ゴミ扱いしないでくれよ!」

千羽「あぁ、キミは粗大ゴミだっけ」

芦屋「話を聞いてくれよぉ!」


荒木「アイツめげないなー」

栖桐「……本当だね」


以下、本編です。

 六月ともなれば夜が開ける時間も早まってくる。

 現在の時刻は午前六時五十分。

 空はすっかり明るくなっており、おまけに晴れ渡っている。それは、まるで数時間前のジメジメとした空気を醸し出していた曇天が幻かと思えるくらいに。


「フッ……いい天気だな」


 エアコンの電源を切り、窓の外を飛び交う雀を見ながら呟くと、背後から軽快なポップ音が聞こえてきた。それにつられるように俺の布団で猫のように眠っていた女の子が目を覚ます。


「う……ん……。ん……もう朝……?」


「おはよう。もう朝だぞ」


「……いま何時ー?」


「ま、だいたい七時ってところかな」


 すると千羽は「ふぁぁ……」と可愛い欠伸をし、「んー、よく寝たー」と言いながら体を伸ばした。


「いやーこんなに熟睡出来たのは久しぶりかもしれないよ」


「そっか。そりゃよかった」


 俺は熟睡できなかったけどな。


「ところでアックン」


「ん、どうした千羽?」


「どうして、目が充血してるんだい?」


「エ、ソンナコトナイヨ?」


 ジュウケツ? ナニソレ、オイシイノ?


「何でカタコト?」


「ソンナコトナイヨー」


 あの後、どうが出したクイズに答えられなかった俺は、罰ゲームを執行された。……内容? 聞かないでくれ……思い出したくないんだ。

 だが、一つだけ言うとすれば……俺は叩かれるだけじゃあ済まなかったってことだ。それだけで出来る限り察して欲しい。


「まさかバットにあんな使い方があったとは……」


「バット?」


「あぁいや、気にしないでくれ。――それより、お腹空かないか? そろそろ朝飯が出来るころだから、千羽も一緒に食べようぜ」


「え、朝ご飯あるの? それじゃあごちそうになろっかな♪」 


 ぴょんっと布団から起きあがり、スタスタと歩き出した千羽の後ろを歩きながら、俺も朝食が準備されているであろうリビングへと向かう。

 台所から漂ってくる美味そうな匂いからして、今日の料理も美味そうだ。さてさて、今日のメニューはなんだろう。

 寝室から十秒ほどかけてリビングに到着し、――一人では大きすぎる――卓袱台の上を見ると、そこにはいつも通りの絢爛豪華な朝食が用意されていた。

 ゆで玉子、目玉焼き、スクランブルエッグ、オムライス、ハムエッグ、そしてプリン。

 うんうん、やっぱり美味そう。


「ね……ねぇ、アックン」


「ん、どうした千羽?」


 卓袱台の上に並べられた料理達を見た瞬間、千羽の顔が曇った。

 どうしたんだ? もしかして玉子が嫌いなのだろうか。


「……テーブルが黄色いんだけど」


「まぁ玉子料理だからな。それに黄色だけじゃないぞ? ゆで玉子の白身に、ケチャップの赤もある。それにオムライスのなかには緑黄色野菜係りのグリーンピースもある。色とりどりの朝食じゃないか。いったい何が不満なんだ?」


「いやいや、栄養バランス偏り過ぎてるよね? 絶対おかしいよね?」


「そんな事ないと思うけどなぁ」


「そんな事あるよ!」


 そうかなぁ? あ、そういえば前に栖桐が弁当作って来てくれた時も、芦屋がドン引きしてたっけ。そんなに玉子料理オンリーっておかしいことなのだろうか。


「……あ、チーちゃん起きたんだ。おはよう」


 すると、台所で朝食を作っていたエプロン姿の栖桐が味噌汁が入ったお椀を片手に、リビングへと入ってきた。ちなみに、料理の時はポニーテールにするのが栖桐のこだわりらしい。うん、やっぱりいつ見ても似合ってる。

 けど――


「あ、スドーじゃん。おはよー」


「…………」


「ん? どうしたんだいアックン。そんなに怯えてさ」


「お、おおおお怯えてなんかいねーーし? 全然っ、緊張なんかしてねーーし?」


 その笑顔が怖い……。


「……そうだよチーちゃん。どうして私の顔を見て緊張するって言うの……? そんな事あるわけないよ……ね、()()()()?」


「は、ハッ! その通りであります! 全然っ! 微塵もっ! これっぽっっっっちも緊張なんかしていないであります! 栖桐さんっ!」


()()さん……?」


「い、いえ! さん!」


 あの後、栖ど――華菜乃からの口から出されたクイズの答え、それは、『私の事も……チーちゃんみたいに名前で呼んでほしいの……それから、荒木君のことも名前で呼びたいな……』というものだった。

 うーん、呼び慣れた名前を急に変えると、何だか違和感がある。


「それじゃあ、朝ご飯が冷めない内に……食べよ?」


「うん、そうだね♪」


「よし、それじゃあ合掌するか」


 卓袱台を囲んで座り、俺たちは手を合わせて『いただきます』と、同時に唱和した。

 せっかくの料理だ。冷めたら美味しくないからな。


 続く


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