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友だちはへん人ばかり  作者: せい
第二話 朽葉千羽の華麗なる勝負
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へん人No.2&3 栖桐&朽葉 その4

 『プラネタリウム』の中は至って普通のゲームセンターだった。デモプレイを続ける筐体や、延々と流れるUFOキャッチャーのBGMなど、『種類』の面でならば先日、と遊んだ所とほとんど変わりないようだった。

 ただ一つ違う所と言えば……


「うわっ、これ初期のスト・ウォーか!?」


「アックン! こっちには龍玉超野菜人2があるよ!」


「このぬいぐるみ……何年か前に流行ったヤツだ……」


 置いてあるゲーム機や、景品の数々が一様に古かった。

 とは言っても全部が全部古い筐体というわけではないようで、ちらほらと比較的新しいモノもあるみたいだ。

 どうやらここ『プラネタリウム』は、過去に流行ったゲームや景品ばかりを置いているゲームセンターのようだ。

 この不景気の中よく経営出来てるな……俺たちの他には誰もいないみたいだし、どうやって生計を立ててるんだろ?


「………………いらっしゃい」


 ふと、目をやると店員(もしかしたら店長?)とおぼしき筋骨隆々のオッサンが三毛猫を肩に乗せ、カウンターの奥に立っていた。

 ダンディーなサングラスに、ダンディーな口髭をしており、ダンディーな雰囲気を体中から発してはいたが、肩に乗せた三毛猫のせいで『変なオッサン』という印象しか持てなかった。

 とりあえず、他に店員さんはいないみたいだしこの人には店長さん(仮)とでも名付けておこう。


「……お前も参加すんのかァ?」


 オッサンを観察しているといきなり後ろから声をかけられた。

 「いきなり話しかけるな」という趣旨の文句を言ってやろうかと思いながら振り返ると、そこには他校の制服を来た三人組の学生がいた。

 あ、これまともに相手をしない方がいいやつだ。本能でそう感じた。

 しかもリーダー格の男は一昔も二昔も前の髪型リーゼントをしており、後ろの二人もパンチパーマにスキンヘッドという気合いの入った頭をしていた。アンタらはいったいどこのビーバップ的なハイスクールだよ。


「お前も……って事は、アンタらも大会とやらに参加すんのか?」


「たりめェよ! 今日こそは絶ッッ対に俺達が勝ッてやるッつうんだ! なァ、お前らァ!!」


「おー!」


「おおー!!」


 恐る恐る訪ねてみると、すぐに答えが返ってきた。なんという昭和のノリ。時代が時代ならボンタン狩りとかしてそう。


「そろそろだなァ……」


 口に出していたら、間違いなく狩られていたであろうセリフを腹の奥底へグっと押し込めていると、胸ポケットから携帯を取り出したリーゼントが呟いた。


「そろそろ?」


「あァ……あともう少しで……始まるぜェ……」


 一瞬、はてなマークが頭に浮かんだが、何が始まるかはすぐに分かった。

 リーゼント達が店の奥に向かって歩いていくので、どうと千羽を呼んで三人の後を着いていく。

 すると、三人組はムキムキのオッサンの横を通り過ぎ、そのまま『関係者以外立ち入り禁止』と書かれた扉の中へと消えていった。


「ねぇ……これって私達も入っていいの……?」


「どうだろ? ま、ちょっと聞いてみるか」


 もちろん聞くのは、サングラスと口髭を装備したムキムキマッチョな店長さん(仮)だ。


「アックン……死なないでね……骨は拾ってあげるから」


「不吉なことを言うんじゃないよ千羽。つーか猫を肩に乗せてるような人だぞ? 絶対大丈夫に決まってるだろ」


「その自信はどこから来るんだい?」


 自信? そんなの決まってる。猫だ。

 猫好きに悪い人はいない。これ、豆知識な。


「ふーーむ」


 さて、とは言ったものの、やっぱり近くで見ると迫力と圧力プレッシャーがとんでもない。どうしよう。まぁ、とりあえずそっちょくに聞いてみますか。


「あのー、噂で聞いたんですけど。今日の大会ってこの中でやってるんですか?」


「……………………」


 ……あれ? 聞こえなかったのかな? しょうがない。もう一回だ。


「あーーのーー? おーれーたーちーもー、さーんーかーしーたーいーんーでーすーけーどー!」


「そ、そんな聞き方は心象が悪くなっちゃうよ……」


「そうだよ、アックン。もっと普通に言わないと、出来る事も出来なくなっちゃうよ?」


 ダメ出しされた。うーん、そんなにダメかな? ま、確かに二人の言っている事も一理ある。

 よし、じゃあ今度は普通に聞いてみるとしよう。


「俺達もーその、参加したいんですけど」


「……………………」


「…………」


「……………………」


 返事がない、ただの店長さん(仮)のようだ。


「……お二人さん。君たちのアドバイスに従った結果、今の状況が生まれたわけだが、次はどうすればいいのかな?」


「え、えっと……」


「うーーーん」


 すると、二人とも唸ってしまった。ちょっと意地悪だったかも。よし、こうなったら『アレ』を使うっきゃない。

 俺はもう一度店長さん(仮)の方を向き、店長さん(仮)の顔ではなく、肩へと、猫へと照準を定めた。……狙い撃つぜぇッ!!


「この、めちゃくちゃ可愛いですよね〜♪ 毛並みもいいし飼い主さんに愛されてるんですね〜♪」


「……………………」


 どうだッ……!?


「……………………」


 やったか!? って言ったり思ったりすると、大抵はやれてないのが王道セオリーだが……どうだ!? やったか!?


「……………………どうぞお入り下さい」


「っしゃあぁぁ!!」


 思わずガッツポーズ。どんなもんじゃい!


「えぇーー」


「それで入れるんだ……」


「だから言っただろ? 猫好きに悪い人はいないんだよ」


 二人とも釈然としなかったのか、揃って不満そうな顔を俺に向けていた。やっぱり君たちってシンクロ率高いよね。


「さぁさぁ、二人とも入った入った!」


 唇を尖らせていた二人を押し込むように部屋に入れ、俺は気にせずにはいられなかった『ある事』をそっと聞いた。


「ちなみにそのは何て名前なんですか?」


「……………………ミケランジェロです」


「なるほど。だけに……ですね?」


「……………………」


「…………」


「……………………」


 俺の問いかけに対して店長さん(仮)は何も答えてくれなかった。が、顔は熟したトマトの様に真っ赤だったところを見ると、つまりはそういうことだろうね。





 部屋に入ると、リーゼントご一行と栖桐、千羽がそれぞれテーブルを挟み、向かい合って座っていた。

 二人の間が空いていたので、そこに座ると扉がもう一度開き、店長さん(仮)とミケランジェロに続いて、一人の女の人が入ってきた。


「あれ〜? 何か今日は人が多いねぇ〜それじゃあ今日はここにる七人で勝負しよ〜かぁ〜」


 そう言うとあしの情報通り、ナイスなバディのお姉さんはセクシーな双丘を揺らしながら、イスに座った。

 この人が……あまでらか?




 続く




今回登場した天野寺さんは広島弁です('∀'●)

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