フィアーネ・スフィア
「うう……痛たた」
「あっ、起きた?」
(ん?ここは……?)
目を覚ますと、俺は知らない家の中にいた。
窓から差す日差しが眩しい…
「あの……大丈夫?」
少し開いた目から見えるぼやけた視界の中に、金色の輝きが混ざっているのがみえる。もう一度目を閉じて、今度はしっかりとまぶたを開けた。そして視界に飛び込んできたのは、
「え・・・あの・・・・ここは・・・・」
たじたじになってしまうのも無理はない。突然目の前に長い金髪を持つ白いワンピースの美少女が現れれば、相当女慣れした男でなければ緊張してしまうだろう。
「びっくりしたよ。突然空から黒い影が降ってきたかと思えば、目の前で湖に墜落するんだから。どうやってあんな高く飛び上がったの?」
どうやら気さくな性格のようだ。
とりあえず起き上がる。
そして、疑問
「えっ…いや…あの!?ゴメン。そういえば名前を言ってなかったね。私の名前は、フィアーネ・スウィアって言うの、よろしくね。」
「はい…俺の名前は神内柊斗。柊斗が名前で神内が姓です。よろしくお願いします。フィアーネさん」
「敬語じゃなくていいよ。そういう堅苦しいのいらないから。それとフィアって呼んで」
「はい、分かりま「敬語!」…分かったよフィア」
と、まあ自己紹介は無事終わったんだが…
「で、さっきの事なんだけど、教えてよシュート。どうやってあんな高く飛び上がったの?」
どうやら俺が、ヒモ無しバンジージャンプ(世界に飛ばされて来た所)を見られていたようだ。
(どうしよう。この世界に飛ばされた事を話した方がいいのかな?)
その事を話した所で、信じて貰えるかどうかも怪しい。もし信じてくれなかったらただの痛い人だ。
まあ、とりあえずその事に関して所々省きながらも全部話した。
「……という訳で俺はこの世界に来たんだよ」
その証拠に、ケータイやゲームなどを取り出して……
「…って、全部水に濡れて使えないじゃないか!!」
確か、さっきフィアが湖に墜落したとか言ってたはずだ。
やはり、その性でケータイもゲームも全部壊れていた(電源を入れてもつかなかった…)
(くそっ、ケータイとか防水機能ついてないんだよ!うわあああ)
「異世界から来た事、私は信じるよ」
「……………(シクシク)」
「あれ?どうして泣いてるの?」
「気にしないで…」
「分かったわ…」
泣いてなんていない!!これはきっと、汗なんだ。
「うう…」