「パパ、赤ちゃんはどうやってできたの?」という子供の質問に中国人はどんな風に答えるのか?
「子供に赤ちゃんはどうやってできたのって質問されたら、どんな風に答えるんだい?」
僕は広東人の友人に訊いてみた。彼は僕と同年代で、中学生と小学生のお子さんがいる。
「まあ、適当に答えるけどねえ。拾ってきたとかさ」
「それはあんまりじゃないの。子供は悲しむよ。僕だったら泣いちゃうよ」
そう言ったら、彼は笑う。
「そうだね。たしかに、かわいそうかもしれない」
「鳥が赤ちゃんを運んでくるとか、キャベツ畑でできたとか、そんな言い方は中国にはないのかな?」
僕が重ねて訊いたら、広東流の答え方を教えてくれた。
「石が赤ちゃんになったって答えることが多いかな」
なんでも、『西遊記』の孫悟空は石から生まれたので、子供たちはたいていその説明を信じるそうだ。「あ、孫悟空といっしょなんだ」と。ちなみに、中国人は猿が大好きだ。動物園へ行けば、猿山へ向かってピーナッツやらみかんやらを熱心に投げ入れている中国人の姿を見ることができる。
誰もが知っている『西遊記』を使って子供を納得させてしまうあたりが、中国流で面白い。嬉しくなった子供たちは、觔斗雲に乗る夢でも見るのだろうか。