こういうのを火事場泥棒という
東日本大震災に関して、与野党が復興財源確保のために増税協議を始めるそうだ。称して「復興税」。復興のために増税などというこんなばかげた話があるだろうか。こういうのを火事場泥棒という。
菅は首相になってから、ことあるごとに増税を主張してきた。自民党の谷垣はもともと増税論者。この二人はなにかにつけて増税をしたがる。今回、彼らは増税のための格好の口実を見つけたようだ。「復興のために資金が必要」といわれれば、一般の人々が反対しにくいのがみそだ。やり口が実に狡猾だ。
震災の後は、当然ながら経済活動は落ち込む。工場や商店が倒壊し、道路などのインフラもずたずたになるのだから、まともに経済活動を行なえるわけがない。もちろん、大震災の影響を受けるのは東日本ばかりではない。日本全体が影響を受ける。すでにいろんなメーカーでラインストップが起きている。計画停電が実施されれば、されに多くのメーカーが影響を受ける。経済は確実に落ちこむ。
こんな時は、減税して民間経済の体力を休めるのが常道だ。増税の「ぞ」の字も口に出さないのが政府関係者の務めだ。政府が増税を口にすれば投資が冷え込んでしまう。しかも日本経済は今デフレの状態にある。今回の大震災は弱り目に祟り目だ。ただでさえ食うや食わずの人が大勢いるのに、こんな時に増税をしてはいけない。まだベッドで寝ていなければいけない病人に向かってグランドを走ってこいというようなものだ。復興税といえば聞こえはよいかもしれないが、現実には逆効果しかもたらさない。
震災の後は火事場泥棒(または詐欺)が現れるものだが、まさか日本国家という火事場泥棒が現れるとは思いもしなかった。