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エジプト民衆革命の意義

 

 エジプトで起きた民衆革命の背景には、アメリカとアメリカと結びついた特権階級によるエジプトの搾取というむごい現実があった。アメリカの操り人形だったムバラク大統領はアメリカの言いなりになり、エジプトの民衆をグローバルリズムという名の悪魔のひき臼に売り渡した。グローバルリズムとは、冷酷かつシステマティックな搾取装置のことだ。経済成長とは裏腹にエジプトの人々の暮らしは苦しくなる一方だった。むしろ、経済が成長すればするほど搾取が進み、暮らしはひどくなるといったほうがいいかもしれない。

 不満をためこんだ民衆は、アメリカによる裏支配やグローバルリズムにノーを突きつけた。自分たちの国を自分たちの手に取り戻そうとしたのだ。

 エジプトの民衆革命の意義はこの一点にある。

 自分たちのことは自分たちで決める。

 自分たちの尊厳は自分たちで守る。

 ごく当たり前のことだ。

 エジプトの民衆は、ごく当たり前のことをごく当たり前に実行しようとしたに過ぎない。

 革命にも様々な種類があるが、民衆が自発的に起こす革命は自分の身を守るためであり、自分たちの暮らしを守るためのものだ。それほどエジプトの人々が自分の身に危機感を抱いていたということだろう。

 もちろん、革命は万能薬ではない。それによって一挙に世の中がよくなるわけでもない。しかし、追いつめられた人々が革命のほかに搾取や圧制から身を守る方法はそれ以外にない。

 エジプト民衆革命と同様な動きが中東各地に広まっている。エジプトのそれもご存知の通り、チュニジアで起きたジャスミン革命に触発されたものだ。だが、これは中東ばかりの問題ではない。アメリカも中国も、そして日本も状況は似たり寄ったりだ。グローバルリズムによる支配が世界各国で進行し、世界中の人々の暮らしが脅かされている。

 ただ、残念なことにエジプトの民衆革命は軍部のクーデターによって覆されてしまった。その裏には、既得権益を守り甘い汁を吸い続けようとする勢力の策謀があった。日本でもそうだが、外国の勢力と結びついた特権階級の抵抗は根強い。あらゆる手段を駆使して権力を守り続けようとする。民衆側に強力なリーダーがいればまた違った展開になったのかもしれないが。

 革命という言葉の響きは、ある人にとっては胡散臭い社会主義イデオロギーの匂いがするかもしれない。またある人にとっては、ロマンティックな響きがするかもしれない。しかし、働けば働くほど貧しくなるという世界中の大多数の人々のことを鑑みれば、民衆革命の真実というものはもっと泥臭く生活臭に満ちたところにある。

 民衆の声はたったひとつ。

「まともな暮らしを送りたい」

 ただそれだけだ。



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