表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/518

指紋認証装置が正しく作動しなかった場合の中国人の反応について


 僕の勤め先には入口に小さな指紋認証装置が置いてあって、指紋を押してタイムカードの代わりに使っている。

 朝はいつもそこに行列ができるのだけど、なかなか動かない時がけっこうある。何度押してもエラーになってしまう人がいて、その人で行列がとまってしまうのだ。遅刻しかけだったり、朝イチから大急ぎで仕上げなくてはいけないことがあったりすると焦ってしまう。

 そんなに出来の悪い機械でもないし、どうしてしょっちゅう行列がとまるのだろうと不思議に思ったので、中国人従業員の様子をじっくり観察することにしてみた。それで、ようやくなぞが解けた。

 指紋認証装置の脇には雑巾が置いてあるのだけど、彼らは十人が十人とも自分の指を拭いて、それからまた画面を押していた。

 何十人も指紋装置を押せば、指紋を押す画面が汚れて正しく反応しなくなってしまう。いくら自分の指を拭いてみたところでしかたない。画面の汚れを拭き取ることが先決だ。それくらい察しがつくだろうと思うのだけど、誰も気づいていないようだし、画面を拭こうともしない。画面を拭かないから、何度押してもエラーになる。それで行列がとまっていたのだった。

 日本人なら、おそらく画面が汚れていると気づいて汚れた画面をさっさと雑巾で拭いてしまうだろう。だけど、中国人はこのことに気づかない。自分の指を拭いてきれいにするのは当然といえば当然なのだけど、そこで発想がとまっていて機械のことまで考えていない。それで反応してくれないと言って嘆いている。

 こんな時、同じ東洋人といっても、日本人と中国人では発想がずいぶん違うよなと実感する。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ