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中国のクリスマス その2

 こちらのカップルは、日本と同じようにクリスマスを一緒に楽しく過ごす。

 中国人の友人たちとクリスマスのことをいろいろ話していた時、

「それじゃ、君も彼氏になにかプレゼントを贈るんだ」

 と、僕が何気なく言ったら、彼女はぽかんとした。

「クリスマスって男が女にプレゼントするものなのよ」

「えっ? 恋人同士でプレゼントの交換をしないの?」

 今度は僕がぽかんとした。

「どうして女の子が男にプレゼントするの?」

 彼女は首を傾げる。

「だってさ、交換したほうが楽しいだろ。男だってプレゼントをもらったら嬉しいんだし」

「なんだか変よ。おもしろいことをするのね」

 彼女は楽しそうに大笑いした。

 一般的にいって、中国では彼女が彼氏へプレゼントを贈ることはあまりない。バレンタインデーも彼氏が彼女へプレゼントを渡すだけだ。どうやら、中国では祝いの日は「彼氏が彼女に自分の甲斐性を見せる日」ということのようだ。たぶん、それが中国人の伝統的な考え方なのだろう。

「もし野鶴さんの彼女がプレゼントをあげなかったらどうする?」

 友人がこう訊くので、

「そんなことは許さない。むりやり買わせる」

 と、僕は断固として答えた。中国流ではないかもしれないけど、僕だって男だというところを見せなくてはいけない。

「えー、ひどいわ」

「ひどいのはどっちだよ。僕だってプレゼントが欲しいんだもん。そんな高価な物をくれだなんて言わないよ。ちっちゃな物でいいんだよ。ハンカチとか手袋とか、そんなものでいいんだよ。気持ちの問題じゃないか。プレゼントを交換するのは、お互いに相手を大切にしましょうってことだよ」

「でもやっぱり、中国の女の子はプレゼントを贈らないと思うわ。そんな習慣がないもの」

 彼女はあくまでも言い張る。習慣の壁を打ち破るのはなかなかむずかしそうだ。

 中国のクリスマスなのだから、中国人が楽しめるように中華風にアレンジすればいいわけだけど、それでもプレゼントだけはゆずれないよなあ。



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