外国暮らしは血圧が上がる?
職場で健康診断があった。
僕と同い年くらいの日本人三人でいっしょに血圧を測ったのだけど、三人とも以前より上がっている。僕は正常の範囲内だったけど、上限いっぱいだった。もともと低血圧気味だったのに。朝起きるのが苦手だった。
歳のせいか、脂っこい中華料理の食べすぎが原因かといろいろ話をしていたのだけど、二人とも中国へきてから血圧が上がったと言う。言われてみれば、僕もそうだ。
「やっぱり、外国で暮らしていると気が抜けないんだよ。自分では慣れたつもりでいても、どこか気を張っているんだよね。すかっと疲れが抜けることがないもん。毎日どこか緊張していたら、そりゃ血圧も上がるよね」
だいたいこんなところで意見が一致した。
中国の暮らしも合計して六年あまりになるけど、今でもどこか気を張っている。島国で育った人間は外国になじもうとしてもなじみきれないのだろう。今でも、毎日、なにか異質なものと向かい合っている。根本的なところで自分には受け容れがたいものと向かい合っている。そんな気がしてならない。日本へ帰った時にほっとした気分になるのは、なにかあたたかいものにつつまれたような気分になるからなんだろう。
とはいえ、ここで暮しているおかけで、日本ではできない経験をいろいろしたし、日本ではわからなかったことをいろいろ識った。サプライズ☆! なことが多くて面白い。血圧がちょっと上がるくらい、しょうがないか。