当たりつき清涼飲料水自動販売機
以前、中国の広州で働いていた時、事務所の入口に当たりつき清涼飲料水自動販売機が設置されたことがあった。
ジュースの見本の下にスロットマシンがついていて、ジュースを買うとスロットがぐるぐる回る。三つ押して、「7」のゾロ目ができたら、好きなジュースを一本貰える。僕はセブンアップか涼茶(薬草を煎じて砂糖を入れた甘いお茶)をよく飲んだ。
初めはなかなか当たらなかったのだけど、コツを覚えると面白いように当たった。とにかくテンポよくスロットを押せばいい。一日に二回当てたこともある。事務所のスタッフにこう押せばいいと教えたら、すぐにコツを覚えて、みんなじゃんじゃん当てた。
しばらく経った頃、いつもこの自動販売機のジュースを補充している夫婦が深刻な表情をしながら、自動販売機のなかを開けて装置をいじっていた。僕は、「当たりが出すぎて困っているんだな」とぴんときた。夫婦はあまり当たらないように装置の設定を変えようとしているようだった。
もうあんまり当たらないかな、と僕は思ったのだけど、どうやらうまくいかなかったようで、以前と変わらず、面白いように当たりが出た。
ひと月後、その当たりつき清涼飲料水自動販売機は撤去されてしまった。残念だった。