表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
513/518

人生の達人


 このエッセイの第277話『人間、色を忘れてはいけない』で紹介した広州在住のおじいちゃんが日本へ帰ってこられた。

 二十三年間、広東省広州で仕事をして、八〇歳になったのを気に引退することにしたそうだ。八〇歳まで外国で仕事をするなんてすごい。

 広州時代の仲間が集まっておじいちゃんを囲む会を開くことになったので僕も参加した。

 おじいちゃんは十年前とちっとも変わっていない。頰の肌もつやつやしている。足腰もしっかりしていて駅の階段もさっさと上がってしまう。日本へ帰ってきてからは、週二回、近所のゴルフ練習場へ行って三〇〇球ほど打つのだとか。そんなに運動して膝や腰が痛くならないのかと思うけど、まったく平気らしい。おじいちゃんを囲んで、おじいちゃんとの再会を祝いながらみなさんで楽しく飲んだ。

 一次会が終わってから、カラオケボックスへ行くことになった。

 カラオケ店の受付で申し込みをしていると、

「女の子はいないのか。カッカッカ」

 と、おじいちゃんは受付の女の子に言って楽しそうに笑う。

「ここは広州じゃないんですから」

 とみんなが言っても、

「そうか。つまらんな。カッカッカ」

 と嬉しそうだ。

 なんでも楽しむ。いつでも楽しむ。なにかあってもほがらかに笑い飛ばしてストレスをためない。人生の達人だ。

 人生は楽しまなくっちゃなと、おじいちゃんと十年振りくらいに話をしてつくづく感じた。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
[良い点] 人生の達人! 素晴らしいですね。 なんでも楽しみ、悔いのない一生を送りたいですね。 読ませてくださり、ありがとうございました(*´∇`*) [一言] 元気が出ました〜♪
2024/02/16 22:56 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ