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賄賂文明4 ~衛生局の検査


 数年前のこと、中国人の友人が広東省のとあるで小さなレストランを開こうとした。日本と同じように、衛生検査に合格して、その許可を取る必要がある。

 店の開業前に衛生局の検査員がやってきて、問題点を何か所も指摘し、改善するようにと指導する。友人は四千元(六万円強)を入れた封筒を渡そうとしたが、検査員は受け取らなかった。そのお金は、もちろん検査をパスさせてもらうための賄賂だ。

 次に検査員がやってきたとき、前回は指摘しなかったことを何か所も指摘する。直していない問題もあったので、それも指摘する。当然、衛生許可は出ない。友人は再び四千元を入れた封筒を渡そうとしたが、検査員は相手にせずに受け取らなかった。

 検査員は三度みたびやってきた。

 なかなか衛生許可取れなくて焦った友人は、封筒に一万元(約十五万円)を入れて検査員へ渡した。検査員はさっとそれを受け取り、「合格」と言って問題点を指摘せずに帰っていった。やっと衛生許可がおりた。

 レストランが食中毒を起こしては大変だから、衛生局が基準に達しているかどうか検査するのは当然だ。基準に達していなければ、合格させることはできない。が、この検査員は、「四千元ぽっちなど受け取れるか」と最初は拒否し、封筒の中身が一万元になったのを見て、妥当な金額と認めて合格させたわけだ。

 なんのことはない、衛生局が検査したのは賄賂の金額だった。



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