表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
386/519

新天地のミニスカ・サンタ


 よく晴れたいい日曜日だったので、上海人の奥さんを連れて上海の街中へ散歩に出かけた。

 新天地というところの一角に昔の洋館をきれいに保存したエリアがある。その洋館街のなかは、珈琲館やレストランになっていて、ちょっとした上海の観光スポットになっている。夜はバーに人が集まってにぎわうのだとか。今日も観光客が大勢いて、散策したり、店先でお茶を飲んだりしていた。僕たちもコーヒーでも飲んで一服しようとしたけど、どこもいっぱいだったのであきらめて外へ出た。

 そこから少し離れた路地にクリスマスの飾りつけをした屋台が並び、雑貨や食料品を売っていた。奥さんの手を引きながら人混みをすり抜けていると、ある屋台の前にミニスカ・サンタの衣装を着た二人のお姉さんが立っていた。白い太ももが見えている。なかなかよいおみ足だ。ミニスカ・サンタ姉さんは輸入ワインの売り子だった。

 ふと視線を感じて横を向くと、奥さんがニタニタ笑い、僕の腕をつねる。

「いい脚だったわよねえ。あなたがなにを見ているのか、ぜんぶわかっているんだからね」

「前に立っているんだから、そりゃ見えるよ。むこうだって、見せるためにそんな恰好をしてるわけだしさ」

「あの子の足を見た時、あなたはほんとにうれしそうに笑ったわよ」

「笑ってないって」

 それから奥さんは道を歩きながら、街角で若い女の子を見るのはかまわないが浮気をしてはいけない、愛人を作ってはいけないと僕にやんわり説教を続けた。僕は慣れているので、「そんなことはしない」とかわし続ける。それでも奥さんは、「わたしに『造反』するようなまねをしてはいけない」と念を押し続ける。どうあっても徹底的に僕を管理したいらしい。

 通りすがりにちょっと見ただけじゃない。声をかけたり、触ったりしてないんだからさ。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ