モデルルーム公開で周囲のホテルは満室 in武漢
出張で武漢へ行った。
武漢でいつも泊まる郊外の開発区のホテルへ行ったのだけど、僕の予約はないという。総務のお姉さんが予約を入れるのを忘れたのだ。ホテルのロビーは人でいっぱいだった。空室がないか聞いてみたのだけど、あいにく全部埋まっていた。そのホテルの傍に二軒ほど別のホテルがあったけど、外観はどう見てもラブホテル。ピンク色のネオンがあやしい。出張へ行った夜は、九時から十時半の間に奥さんとフェイスタイムをしなければならない。怪しげな部屋で奥さんとフェイスタイムなんかした日には、彼女は誤解して激昂してしまうだろう。
しかたがないので、そこから少し離れたホテル街まで行き、並んでいるホテルを端から当たった。ホテル街の前には、スーツケースを曳いた人たちがぞろぞろ歩いている。運悪くなにかのイベントの日に武漢に着いてしまったみたいだ。どこもすでに満室で何軒か断られた後、ようやく空室を見つけた。そのホテルは値段は安いけど、部屋はあまりよくなかった。壁が薄くて部屋から高鼾が聞こえてくる。でも、僕は気にならない。どうせ寝るだけなのだから、お湯の出るシャワーがあって、洗濯したシーツが敷いてあればそれでじゅうぶんだ。
翌日、地元の人に聞いたところでは、近くに二十数階建てのが十数棟並ぶ新しいマンション群が建つことになり、そのモデルルームの公開と予約受付があったそうだ。それで、少なくとも一万人以上の人が集まり、ホテルも埋まってしまったのだとか。そのマンションは好評で瞬く間に値段が上がってしまったという。地下鉄に三四十分乗れば町の中心街へ出られるので便利と言えば便利な場所だ。
今、中国は不景気でしんどい状態なのだけど、立地のよい住宅マンションは行列ができて売れ続けている。




