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スパイ防止はみんなの責任なのです
夏休みをとって海南島に来ている。
海南島は中国の一番南に位置して南シナ海に面している。中国のハワイと呼ばれるだけあっていいところだ。海は青くて砂浜はきれいだし、椰子の木がそこかしこに生えていてトロピカルな感じだ。ビーチは人が少なくてゆっくり遊べる。日本だったらイモの子を洗うような賑わいになるのだろうけど、中国人は泳げる人が少ないから、あまり海へ入りたがらないのかもしれない。
ホテルへ入って説明書を読んでいると、
「反間反諜人人有責任 (スパイ防止はみんなの責任なのです)」
などと書いてあるのでびっくりしてしまった。こんなホテルの説明書は初めてだ。よほどスパイがうようよいるのだろうか?
確かに、海南島は南シナ海に面しているから、船に乗れば、ベトナム、フィリピン、カンボジア、タイ、マレーシア、インドネシアとの行き来や交易が便利だ。この島は昔から密輸の舞台にもなっている。こっそりこの島へくる人がいろいろいるのだろう。
とはいえ、青い海とまぶしい太陽だけを求めにきた旅行客にそんなことを言われてもなあ。




