表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
312/519

酔っ払いの騒ぎ声とハイヒールの高い音


 僕の住んでいるマンションの道路を挟んだ向こう側のビルには広州でも有名な高級クラブが入っている。高級クラブなので、もちろん一見さんはお断りだ。知り合いがのぞきに行ったことがあるそうだが、入口のところでやんわりと断られたのだとか。

 週末の夕方にエレベーターに乗ると、僕よりも背の高いお姉さんがいかにもご出勤という出でたちで立っていたりする。香水の匂いがプンプンする。僕はスタイルがいいなあと感心しながら眺めるだけ。職業柄そんな癖がついているのか、エレベーターが一階につくと、たまにドアを押さえてくれたりするお姉さんもいる。僕にサービスなんてしなくてもいいのに。ご出勤のお姉さま方はハイヒールをこつこつ響かせて、マンションのホールを出てゆく。

 夜中、酔っ払いの騒ぎ声が聞こえてくる。高級クラブから出てきた酔っ払いが屋台の麺をつつきながらわいわいと騒ぐのだ。男も騒げば、女も騒ぐ。たまに酔っ払い同士で喧嘩することもあるようだ。

 年に何度か、真夜中のクラブで大捕物がある。公安がクラブへ入ってマフィアを捕まえるのだ。

 マフィアが逃げまどって叫び声をあげ、公安が拡声器でおとなしくしろといったことを叫ぶ。パトカーのサイレンがひゅんひゅんと唸る。小一時間くらいは騒がしい。目の覚めた僕は騒がしさに寝付けず、ぼおっと騒ぎ声を聞いていたりする。翌日は決まって、クラブの前に公安の車がとまっている。

 昼も夜もなかなかにぎやかな国だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ