表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
259/518

初チップ


 ニイハオ、ボクはラーメン屋の店員。

 北京の下町で働いているんだ。

 店はきたないけど、大将の作るラーメンはおいしいよ。店はいつもお客さんでいっぱい。大きなお釜はいつも湯気濛々。

 ボクはいつも大声で接客するんだ。みんな、元気だねってほめてくれるよ。大きな声は気持ちいいからね。

「少年、お愛想のことあるね」

 五番テーブルのお客さんがボクを呼んだ。ちょっと頭のはげたおじさんだった。

「牛肉ラーメンだったね。九元五角だよ」

 ボクが腰のポーチからさっと五角札を取り出すと、

「釣りは要らないことあるね」

 と、おじさんはそう言って十元札をボクに渡してくれた。

「五番テーブルのお客さまからチップを五角いただきましたっ!!」

 ボクはうれしくなって店中に叫んだよ。生まれて初めてチップをもらったんだもん。これでアイスを買おうっと。

 だけど、おじさんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、

「やっぱり釣りをくれるのことあるね」

 とボクの手から五角札を取り上げちゃった。おじさんは気まずそうに店を出て行ったよ。

 あーん、初チップはおあずけだあぁ。


 沢木香穂里先生の「すきま時間のおつまみ」のオマージュです。

 おそまつさまでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ