男女平等は男がだめになることじゃありませんっ!
中国の女の子は「男女平等」という言葉をよく口にする。そういうときはたいてい「自分の仕事を持ってがんばって稼ぎたい」という意味だ。
最近は新しいアシスタントの女の子と仕事している。彼女は大学の日本語学科を卒業して一年ほどだ。日本語会話が上手だから仕事のやり取りはほとんどすべて日本語でしている。おっとりしているから仮におっとりちゃんとしておこう。
ある日、おっとりちゃんに別の課の若い中国人の男の子の担当者と新製品納入の件で得意先へ下見に行ってもらった。帰ってきたおっとりちゃんは、その男の子が簡単なこともできず頼りないと嘆き、
「彼はぜんぜん男らしくありません」
と口をとがらせる。
「あなたがしっかりやらないといけないんだよ。男女平等だろ?」
僕がなかばまぜっかえすと、
「男女平等は男がだめになることじゃありませんっ!」
おっとりちゃんはこぶしを握って力説する。
「名言だなあ」
僕は感心した。おっとりちゃんははずかしそうに顔を真っ赤にする。
たしかに、いくら男女平等といっても、男はやっぱりしっかりしなくっちゃいけないよな。男らしく、思い切りよく。