中国の不思議なGDPデータ
中国は統計学者の地獄といわれる。
統計データがぐじゃぐじゃで、しかも統計ミスと虚偽報告が多いためにどのデータを信用していいのかわからないのだ。
2013年上半期(一月から六月)の中国全土と各省ごとのGDP統計を見ていて不思議なことに気がついた。
この期、対前年同期比でいちばん成長率が高かったのは天津と貴州省の十二・五%増。いちばん成長率が低かったのは上海と北京で、七・七%増だった。
でも、全国のGDP成長率を見てみると七・六%だ。
地区毎の成長率の最低が七・七%なのに、どうして全国のGDP成長率がそれよりも低いんだ?
実は、各地区毎のGDPデータは水増しが非常に多い。地方政府の責任者が自分の実績を高く見せるためにデータを水増しさせるのだ。中央はそれがわかっているから、各省からあがってくるデータを信用せずに独自に全国のGDPデータを統計する。それで各省ごとのデータと全国のデータが一致しないのだ。「そのなのありかよ」と思うのだけど、中国はなんでもありだからどうしようもない。このデータの不一致は、なんとか自分を高く売り込もうとする地方政府のリーダーたちのはったりと、そのはったりを見抜いて自国の経済の実態をなんとか把握しようとする中央の格闘の結果だともいえる。
面白い国だなと思うのだけど、混沌としたデータ一覧表をみているうちに頭がくらくらしてきた。