表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
241/518

クーラーの温度設定十六度

 

 子供のときからクーラーが苦手だ。

 毎年、電車やビルでクーラーがかかり始める頃になると、お腹の具合が悪くなってあわててトイレへ駆け込むことになる。クーラーが始まってから二三週間も経てば体が順応してお腹を壊すこともなくなるのだけど。

 はじめて香港へ行ったとき、ビルのなかが冷房でギンギンに冷えているのでびっくりしてしまった。ショッピングモールのビルのなかへ入ったとたん、眼鏡のレンズが曇って真っ白になる。なんだか風邪をひきそうなくらい寒かった。たぶん、冷房の温度設定は二十度を切っていたと思う。ビルを出ると、また眼鏡が曇ってしまった。いくらなんでも冷やしすぎだけど、あれくらいにしておかないと「サービスが悪い」なんて言われてしまうのだろうか。

 以前、広州で勤めていた事務所も、香港のショッピングモールに負けないくらいクーラーが効いていて寒かった。女の子たちはみんな寒がって、厚めのショールを肩から羽織りがたがた震えている。まるで六月のプールからあがってきたばかりのようだ。クーラーのリモコンを見るとなんと十六度に設定してあった。僕は二十五度に設定しなおしたのだけど、いつのまにか、誰かがまた十六度に戻してしまう。必要以上にクーラーを効かせるのはもったいないと思うのだけど、目一杯クーラーをかけないと涼しい気分になれないのかもしれない。おかげで夏のあいだ、何度も風邪をひいてしまった。あれはつらかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ