会社支給の携帯電話代は福利厚生?
勤め先の日系企業では各従業員に携帯電話のチップを支給している。もちろん仕事に使うためのもので、電話代は会社が支払っている。
最近、総務が携帯電話代のセットプランの基準を決めて社内に通知したところ、ひと悶着が持ち上がった。
一般職員の上限は月額○○元で市内通話○○分のプラン、グループ長の上限は月額○○元で市内通話○○分のプラン、具体的に各従業員の携帯電話をどの料金プランにするかは部門長が決定するといった具合に内容はごくありきたりのものだ。部署や担当業務の内容によって携帯電話を頻繁に使用する人もいればそうでない人もいる。総務は使用頻繁の高い従業員にあわせて上限を決めたようだ。ごく当たり前の話でどこにも問題はない。
ところが、「携帯電話代は福利厚生なのだから、私の携帯電話のプランも上限いっぱいのものに切り換えてくれ」という要求が中国人従業員から相次いで会社のほうは困り果ててしまった。いくら会社が支給している携帯電話のチップは仕事用のものであって福利厚生ではないと説明しても彼らは納得しない。はなから福利厚生だと信じこんでいるのだ。もっと言えば、みんな会社の携帯電話でプライベートの電話をかけまくっているということだ。
仕事用の携帯電話とプライベートの携帯電話の区別もできないのかと思われるかもしれないが、なにせ中国人は公私混同が激しい。というよりも、中国人には「公のもの」という考え方がなくて、すべてが「私のもの」だと思いこんでいる節がある。だから、会社の携帯電話を「福利厚生」――つまり「私のもの」だと勘違いしてしまうのだろう。がめついと言ってしまえばそれまでだけど、考え方の根本になにか問題があるのだと思う。
一筋縄ではいかない人たちだ。