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コンサートへ行きたいっ

 

 外国で暮らしていて残念なのは昔からファンの歌手のコンサートへ行けないことだ。もう何年もコンサートやライブを観ていない。

 ずいぶん前のことになるけど東京で暮していた頃、あるフォークシンガーのコンサートへ行った。チケットを持っていなかったから、ダフ屋を探してチケットを買おうとした。開演時間は迫っている。

「どんな席があるの?」

 僕は会場前の広場に坐っていたダフ屋のおじさんに話しかけた。だけど、おじさんはうなだれたまま返事しない。

「おじさん、早くしてよ。始まっちゃうよ」

 僕が催促するとおじさんはようやくのことでチケットを何枚か見せてくれた。でも、席があまりよくない。二階席だったり、一階席でもいちばん端のほうだったりする。

「もっとほかのはないの?」

「これだけだよ。チケットを売ってくれる人が少ない。買ってくれる人も少ない。これじゃ商売にならない」

 おじさんは落ちこんだままでまともにとりあってくれない。

 その歌手はその当時ですでに四半世紀くらい歌い続けていたから、固定ファンばかりで当日ドタキャンする客が少ないのだろう。

 しかたないから一階席の端のチケットを買うことにした。おじさんの動作が鈍くてのろのろと釣り銭を返すからあせったけど、滑り込みセーフで開演に間に合った。

 コンサートは楽しい。

 臨場感があるし、アルバムと違う編曲で聴けたりもする。

 普段なにげなく聞き流していたのに「こんないい歌だったんだ」と感動したりする歌があった時は、ほんとうにコンサートへ行ってよかったと思う。すごく得をした気分になる。

 やっぱり、生演奏で聴いてみないとわからないことがいろいろあるんだよな。感動したいな。


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