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その気もないのに自己推薦されてもなあ

 前回の話の続き。

「それじゃ、僕にも誰かいい子を紹介してよ」

 僕は逆襲に出た。いろいろ条件をつけて困らせてやろう。むちゃな要求を出そうとしたとたん、彼女はフフフと不敵に笑う。

「わたしはどう?」

「え?」

 勝ち誇ったようなまなざしをした彼女を見て、僕は目が点になった。

「だから自己推薦するわ。わたし自身を紹介するのよ。どう?」

「あのさ、僕は君がさっきいった条件にはまったく当てはまらなんだけど。だいいち、イケメンじゃないだろ」

「格好いいと思うわよ」

 ゴマをするなら別の人にしてくれと言いたかったけど、やめておいた。

「僕は料理を作ってもらいたいし、家事だってできるだけやって欲しいんだよ」

「それで」

 おいおい、都合の悪いところは素通りか?

「その人だけを見るだなんてできないかもよ。僕は本を読む時間と書きものをする時間がほしいんだ。けっこう時間がかかるんだよ。それに、小説を書いているとほかのことはかまっていられなくなるから、彼女のことなんてほったらかしになりがちだし」

「いいわよ。わたしだって、ずっといっしょにいると気づまりだもん」

「さっき言ってたこととぜんぜん違うんだけどさ。君が僕を追いかける気なんてさらさらないんだろ」

「どうかな」

 彼女はとぼけてみせる。なんだかずるいなあ。見え透いているからかわいいものなんだけど。

「その気もないくせに、どうして自分を推薦したりするんだよ」

「だって、いろんな人に追いかけられていたほうがいいでしょ」

 彼女はアハハとほがらかに笑う。白馬の王子様に取り囲まれた自分の姿を想像して、ルンルン気分になっている。

 そりゃ、誰だって、追いかけてくれる人が多かったら気分いいだろうけどねえ。



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