中国では売れないハイブリッドカー
トヨタ自動車は二〇一二年一月から十月まで、世界中で百万台のハイブリッドカーを販売したと発表した。トヨタとしては初めて、ハイブリッドカーの年間売上が百万台を越えたのだとか。
ところが、中国ではまったくといっていいほどハイブリッドカーが売れない。あまりに売れなさすぎるので、ハイブリッドカー用の部品を生産しているメーカーが、「部品を作る金型代もでない」と嘆くほどだ。
ハイブリッドカーの値段は高い。
同じ値段を払って車を買うのなら、より大きくて見栄えのする車を選ぶのが中国の金持ちだ。「燃費がいい」だとか「環境にいい」だとかいうハイブリッドカーの宣伝文句も彼らの心にはヒットしない。なにしろ彼らの目的は、
「でかい車を買ったぜ。どうだすごいだろ」
と周囲に自慢することなのだから。
そのうち、車を何回も買い替える人が出て、市場が成熟してくれば燃費のいいハイブリッドカーを選ぶ人が多くなるのかもしれないけど、そうなるまでにはもうすこし時間がかかりそうだ。
ところで、ある日系自動車メーカーのハイブリッドカーのポスターを見て驚いた。なんと、ハイブリッドカーの電池を走行距離二十万キロまで保証するという。こちらでは二十万キロくらい走らせるのは当たり前だから、中国の消費者にあわせたのだろうけど、それにしても長いよなあ。