表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
208/518

「わたしはシンガポール人」

 

 抗日運動が激しかった頃、中国の各都市でタクシーの乗車拒否にあった日本人が大勢いた。日本人だというだけで乗せてくれない。

 友人のI君はタクシーの運転手に「何人?」と訊かれた時、定石通り、

「韓国人」

 と答えて乗車拒否されないようにしていたのだが、まずいことに一度、朝鮮族の運転手にあたってしまった。朝鮮族は主に中国東北部に住む少数民族。韓国や北朝鮮と同じ民族だから、韓国語が母語マザーランゲージだ。嘘がすぐにばれる。

 韓国人になりすますのはあまりよくないと感じたI君は次から作戦を変え、何人だと訊かれたときは、

「わたしはシンガポール人です」

 と答えるようにした。

 なんでもシンガポール人だと言うとウケがとてもいいのだとか。シンガポールは華僑の街だから、親近感があるのかもしれない。運転手さんがよろこんでしまい、

「うちの親戚がシンガポールへ行ったことがあったんだよ」

 などと、よもやま話に花が咲くそうだ。

 それにしても、シンガポール人になりすますだなんて、大胆だよな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ