「なろう」の作品評価はオール5
なろうに参加しはじめた頃、評価ポイントがあるのにはちょっと途惑ってしまった。
ご存知のように「文法・文章評価」と「ストーリー評価」の二項目があって、それぞれ五点満点になっている。
なぜ文法の評価があるのかよくわからないけど、日本語の文章をきちんと書ける日本人は案外少ないから、そこを見てほしいということなのかもしれない。
初めのうちは作品を読んでも評価をつけなかった。他人の作品を評価するだなんて、おこがましい気がする。だけど、自分が書いた作品にポイントをつけてくれた方もいたので、それでは僕もつけてみようと思った。
面白いなと思った作品をいくつか選んで試しに点数をつけてみた。「1」や「2」をつけるくらいならつけないほうがいいからそれはやめにして、「3」が普通、「4」がよい、「5」がとてもよい、くらいの感じで考えた。だけど、途中ではたと困った。
ジャンルも長さもまちまちの作品を同じ基準では評価できない。
エッセイにストーリーがいるのかといえば、かならずしもそうではない。短編小説も同じだ。もちろん、小説は「文章」と「ストーリー」だけで評価できるものでもない。キャラ、構成、アイデアなどなどいろんな要素がある。この二つだけで評価するのは、片手落ちだ。それに、普通、よい、とてもよい、といっても、あくまでも自分の感覚にすぎないから、客観的な物差しがあるわけでもない。
これでは、自分のつけた評価を説明できない。
Aという作品がなぜ四点で、Bという作品が五点なのかと訊かれても、「なんとなく」という以外に答えようがないではないか。
説明できないということは、責任が持てないということなので、やっぱりやめておいたほうがいいのかとも考えた。無責任なことはあまりしたくないから。僕は評論家でも審査員でもないので、他人の作品を評価する資格があるのかと訊かれたら、そんなものはない。きちんと評価できるだけの鑑識眼もない。五段階で評価してくださいといわれても、僕の手にはあまる。
だけど、ポイントがあったほうがアクセスが増えて、読んでもらえる機会が多くなるのは事実だ。自分が面白いと感じた作品をほかの人に推薦するにはやはりポイントをつけておいたほうがいい。
そこで苦し紛れかもしれないけど、評価をする時はすべて「5」をつけることにした。
ほんとうの意味での評価というのはできないけど、「この作品はおもしろいから読んでみてください」という意味での評価ポイントだ。それに、作品を書くのはやっぱり骨の折れることだから、「おつかれさまでした」という意味もこめて作者を激励したい。
ただ、なかには真剣に考えてポイントをつけている人もいるだろう。人それぞれの考えでやればいいことだから、僕の考えが絶対に正しいとは思っていない。なかには評価システムに消極的な人もいるから、そんな作者さんの作品にはなるべくポイントをつけないようにしている。向こうの方に気を遣わせてしまうことになっては悪いから。
僕自身の作品についていえば、ポイントはあってもなくてもどちらでもいい。もちろん、つけてもらえればうれしいけど、ポイントよりもむしろお気に入り登録が増えてくれたほうがもっとうれしい。投稿した作品のお気に入り件数が増えるとわくわくしてしまう。もともとお気に入り件数がすくないからなおさらだ。
というわけで、今では面白いと思った作品には全部「5」をつけることにしている。